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福田首相、麻生幹事長コンビ始動――総選挙はいつか
2008.08.07 更新
*このコーナーでは、『日本の論点』スタッフライターや各分野のエキスパートが耳寄り情報、マル秘情報をもとに、政治・経済・外交・社会などの分野ごとに近未来を予測します。

 福田首相が、幹事長に、国民的人気が高く、自らの最大のライバルである麻生太郎氏を起用したことによって、党内外の次の関心は(1)いつ、いかなるタイミングで総選挙が行われるのか、(2)解散を行うのは福田首相か、それとも麻生氏が、ポスト福田の首相としてやるのか、あるいはX首相の手で行われるのか――に移った。

 今回の人事にあたり、福田首相と麻生幹事長は2人だけで会談した(8月1日)。総選挙をいつやるか――「党の顔」として総選挙の指揮をとることになる麻生氏は、福田首相の腹の内を探った。記者会見では、福田首相は表向き、「解散を論ずるよりはいまは政策を実行する。そういう社会経済の状況だ。いまただちに解散を考えているわけではない」と繰り返し、麻生幹事長も「任期が1年を切れば、解散・総選挙はいつでもありうる。いつあってもおかしくない」との一般論を語るだけで、双方とも密室での話し合いを否定してみせた。しかし、党内ではその後、この会談で、麻生氏が「いつ解散するのか」とただすと、福田首相は「私の手で解散するつもりはない」と、禅譲をにおわせたという話がまことしやかに流布された。

 じっさいはどうなのか。福田首相は一見、おとなしそうだが、意外に頑固だ。世間の評判は気にせず、「わたしは静かなる革命をやる」との決意を周囲に漏らし、「1つの政権は最低4年間必要だ。最初の1年は前政権が作った予算を執行し、2年目に自分の政治カラーを反映させる予算を作り、3年目に検証する」との持論を側近に明かしている。これを言葉どおりに受けとれば、福田氏には途中で政権を投げ出す気など、さらさらないということになる。いいかえれば、主要なライバルや各派閥の領袖らを党・内閣に取り込んだのは、明確に自身の手で解散、総選挙する意欲を誇示したといってよい。

 では、解散、総選挙の時期はいつか。「任期満了に近い来年秋」(3日の古賀誠・選挙対策委員長発言)との見方もあるが、いま、しきりに取りざたされているのは「年末年始」説だ。これは、連立相手の公明党が強く要求しているもので、臨時国会で消費者庁の創設や景気対策などを実現し、内閣支持率が上向きになったときを狙う戦略であり、野党の準備不足につけ込むとの思惑もある。しかし、「生活者の目線」を口すっぱく繰り返し、「安心安全の内閣」を掲げたのに、福田首相がその前提となる2009年度の予算案を成立させずに解散、総選挙に踏み切ることがあるだろうか。

 まして巷間言われているような「ことしの秋」や、「来年の通常国会前」の総選挙も考えにくい。政府・与党はいま、年金問題や後期高齢者医療問題などの逆風を、なんとか踏んばって耐えている。そもそもこれも政権党として、国民の期待を集める政策を実現し、一定の実績をあげて総選挙に臨みたいからにほかならない。いまのままでは、どう情勢を読んでも、300超の自民党の現有議席を守るのは不可能だ、という読みもある。となると解散、総選挙は、早くて09年の夏以降という予測が立つ。

 ただし不確定要因がある。公明党の出方である。1小選挙区あたり2〜3万票あるという公明票を頼みの綱とする自民党議員が少なくなく、公明党の意向を無視できないのだ。もうひとつ、公明党が近々の総選挙にこだわるのは、支持母体の宗教法人、創価学会を管轄するのは東京都であり、公明党がその都議会での発言権を確保するには、なにより都議選(09年7月)を勝たなければならず、創価学会としては、全国の会員を動員して都議選の支持者固めを行う(F=フレンド作戦)ための十分な時間が必要で、総選挙の時期とぶつかっては困るのである。

 こうした公明党の要求に対して、自民党内では「総選挙や臨時国会に口出しするのはしっぽ(公明党)が胴体(自民党)に口を出すようなもので、筋違いだ」との反発する声が高まってきているのも事実だ。「結党以来の危機」(麻生氏)に直面しているとはいうものの、はたして友党の意向に配慮するかどうか。頓挫したが、一時は民主党との大連立まで考えた福田首相だけに、連立の解消も辞さず、強引に自民党の都合を優先する可能性が高いのではないか。

(松本泰高=まつもと・たいこう、政治ジャーナリスト、『日本の論点』スタッフライター)


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