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道路特定財源の一般財源化
2006.12.07 更新
 12月5日、2007年度予算編成にからむ焦点のひとつである道路特定財源の一般財源化について、政府は、全体の8割超を占める揮発油(ガソリン)税の一般財源化を07年度は見送り、08年度以降にする方針を決めた。国土交通省や自動車関連業界、地方自治体、自民党道路族議員らの根強い反対を踏まえ、来年の参院選への影響にも配慮したものだ。安倍首相は所信表明演説で公約したが、早くも後退したかたちで、来年度は法律の改正を伴わない自動車重量税の一部約1500億円などを一般財源化するだけにとどまりそうだ。

 道路特定財源制度は、立ち遅れた道路の整備を促進するため1954年にスタートした。国税として徴収されるものに、揮発油税、自動車重量税、石油ガス税の3つがあり、規模は約3.5兆円、地方税として軽油引取税、自動車取得税など2.2兆円がある。このうち、揮発油税は、58年に制定された「道路整備費の財源等の特例に関する法律」によって、道路整備を進めるための特定財源にされ、税率を本来の税率(本則)の2倍(現行は1リットルあたり48.6円)の暫定税率に設定されている。特例法と暫定税率は08年3月末に期限切れを迎える。なお、揮発油税は、06年度は約2兆9600億円、自動車重量税は5700億円の収入だった。

 安倍首相は、「道路財源を聖域にしない。揮発油税を含めて道路特定財源を見直しの対象にし、高齢化が進むなか、国民の視点に立って有効に活用したい」と指示していた。これは、道路特定財源で支払っていた旧本州四国連絡橋公団の借金(06年度は4500億円)が、07年度からなくなり、5100億円の余剰金が生じるのを機に、全体を見直そうというものだ。小泉前首相が01年4月の就任早々に一度は手をつけようとしたが、道路族議員らの抵抗で失敗しており、安倍首相としては改革をアピールするチャンスとみている。

 しかし、自動車業界は一般財源化に反対する署名約900万人分を集め、道路以外に使うのなら暫定税率を廃止するべきだと政府に要求、自民党内でも「われわれがつくった安倍内閣だが、なんでもわかりましたというのとは話が別だ。筋は曲げない」(笹川尭道路調査会会長代理)と反対が強まった。こうした空気を背景に、与党は先手を打って一般財源化は自動車重量税の範囲内で1500億円との素案を打ち出し(11月30日)、これを受けて、政府は官房長官、財務相、国土交通相の三閣僚で協議を続けてきた経緯がある。

 政府与党は7日、(1)税収の全額を充てる仕組みは改め、08年の通常国会において所要の法改正を行う、(2)道路歳出を上回る税収は一般財源とする――ことで合意した。肝心の揮発油税の一般財源化についての言及はなく、逆に道路予算の優先を確認するなど、与党側に譲歩したかたちだ。



関連論文

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私の主張
 
(2002年)道路計画の見直しと特定財源の一般財源化なくして、財政再建なし
五十嵐敬喜(法政大学法学部教授、弁護士)
(2002年)私がなぜ一般財源化に反対するか――道路特定財源の使途は地方が決める
浅野史郎(宮城県知事)

議論に勝つ常識
(2002年)道路特定財源についての基礎知識
道路特定財源はなぜ自治体の生命線なのか?



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