12月25日、日興コーディアルグループが2005年3月期の不正な会計処理で利益を水増ししていた問題で、経営トップが組織的な関与を認め、会長、社長がそろって引責辞任した。証券取引等監視委員会が不正操作を摘発し、金融庁が課徴金を科したさいには、「担当平社員のミス」と主張していたのを1週間後に撤回したもので、同グループの企業統治のお粗末さと経営首脳らのモラルハザードを改めて浮き彫りにした。
この不正会計処理は、国内三大証券会社の一角を占める日興コーディアルグループ(持ち株会社)のうち、子会社の投資会社である日興プリンシパル・インベストメンツ(NPI)と、孫会社で特別目的会社(SPC)のNPIホールディングス(NPIH)の取引で行われた。具体的には、大手電話代行会社のベルシステム24を買収するため、NPIHはNPIに債券を発行して資金の一部を調達し、NPIへの返済はベル社株で行うというもの。
両社の取り引きでは、一方に利益が出れば、もう一方は損失が出る仕組みなのに、日興の連結決算では、ベル社の株価上昇に伴うNPIの利益だけを計上、NPIHの損失を連結対象から外していた。会社側は、ベンチャー育成用の会計基準を適用すればSPCを連結しなくてもよいと判断したという。しかし、証券監視委は、その際に債券の発行日を改ざんし、不正な利益188億円を水増し計上していたことをつかみ、明らかにSPCを実質的に支配していたとみなし、18日に5億円の課徴金の納付命令を出すよう金融庁に勧告した。
こうした不正な会計操作を、会社側は当初、担当者の独断によるものとしていたが、当局に追及されて結局、組織的な関与を認めた。また、担当のみすず会計監査法人もこれを見逃し、有価証券報告書を適正としていた。今後は、不正操作が意図的に行われたのかどうか、監査法人に対しては公認会計士法に違反していないかの調査が焦点になる。
日興コーディアル証券(旧日興証券)は、1997年に総会屋への利益供与事件で首脳陣が引責辞任しており、みすず監査法人(旧中央青山監査法人)もカネボウの粉飾決算に手を貸すなど、いわばすねに傷を持つ立場だ。だが、こうした過去の苦い経験が生かされていないことが今回の不正会計処理で証明されたかたちになった。
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