1月30日、中国から輸入された冷凍餃子に毒性の農薬が混入されていたため2県の3家族計10人が食中毒になっていたことが明らかになった。原因は、日本では製造、輸入、使用が認められていない有機リン系農薬メタミドホスによるもので、製造したのは中国・河北省の天洋食品、輸入、販売元はジェイティフーズ(日本たばこ産業=JTの子会社)。この食中毒事件で、改めて中国製食品の安全が問われるとともに、日本の検疫のあり方の見直しが迫られている。
被害者のなかには一時、意識不明の重体となった女児がいたほどで、事件の発覚が報じられたことにより、JTが食品の自主回収に乗り出したほか、全国で中国製の冷凍食品が一斉に店頭から撤去されるなど波紋が広がった。
中国からの輸入食品の安全性が問われた事件は、過去に、マツタケから残留基準値を超える除草剤を検出(2006年9月)、ピーマンから殺虫剤検出(07年6月)、ウナギの蒲焼きに禁止抗菌剤を使用(07年7月)、冷凍むきあさりから細菌検出(08年1月)など、ほぼ毎年のように起きている。
厚生労働省は、輸入食品に対して各検疫所で、全体の1割程度を対象に、農薬や抗生物質など有害物質の混入がないかをサンプル調査している。しかし、冷凍餃子のように多くの原材料を加工した冷凍食品の場合、ふつうは細菌数や添加物の検査は行うが、農薬の残留検査は実施していない。これは原材料の特定が困難なためだ。厚労省食品安全部は「製造段階での安全確認は輸入業者の責務だ」という。
JTは30日の記者会見で、「化学物質に関する調査は行わなかった。検査態勢や工場の体制を見直したい」と釈明したが、じっさい、最初に食中毒が報告(12月29日)されてから公表するまで1カ月もかかり、しかも原因を突き止めたのは兵庫県警による鑑定だったというお粗末さだった。
日本冷凍食品協会の調査によると、06年の調理冷凍食品の輸入金額(31社ベース)は1400億円で、このうち中国からの輸入は25社が扱い、輸入金額は812億円。00年に比べ約3倍に膨らみ、輸入全体の約58%を占めている。JTは、業界第7位の売上高で500億円、このうち中国製は57億円、1割強を占めている。
いっぽう、中国政府は、ことし8月の北京五輪を控え、「輸出食品の合格率は99%以上」と食の安全をアピールした矢先だけに事態を重視、国家品質監督検査検疫総局は30日、早速、調査を開始し報告するとの声明を発表した。
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