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消費者庁
2008.06.19 更新
 6月13日、政府の「消費者行政推進会議」(座長・佐々木毅学習院大教授)は、消費者庁の創設を求める最終報告書を決定し、福田首相に提出した。消費者庁は、首相自身がさる1月の通常国会冒頭の施政方針演説で、「ガス湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故などで、縦割り行政の役所の対応が遅れるなど国民の害となっている例が続発している」とまで指摘し「国民の目線に立つ消費者行政の一元化」として国民に“公約”していたもので、同会議が肉付けをしてきた。

 消費者庁は、内閣府の外局として設置され、消費者行政担当大臣を常設する。内閣府の国民生活局を母体に、経済産業、農林水産、厚生労働など関係省庁から人員を集め約200人規模でスタートする。消費者本位の行政を行うため、強力な総合調整の権限を持つほか、関係省庁への勧告権、被害者救済を進める新法の制定など幅広い企画立案機能を担う。食品や製品の「表示」と「安全」、商品や金融などの「取引」、「物価・生活」の4分野、10省庁にまたがる食品衛生法など30本の法律を移管する。

 消費者庁の発足は来年4月の予定で、ことし8月下旬にも召集される臨時国会で、消費者庁設置法案など関連法案の成立を図る。主な担当業務は、(1)商品・金融などの取引の取り締まり、(2)製品・食品などの安全の確保、(3)製品・食品などの表示の適正化、(4)物価行政――などだ。また、有識者による消費者政策委員会を設け、消費者の声を反映させるほか、製品事故情報などを一元的に集約・分析する。

 全国56の消費者団体でつくる「消費者主役の新行政組織実現全国会議(愛称・ユニカねっと)」(阿南久代代表幹事)は、「消費者の権利から考える庁ができるのは本当によかった」と、消費者庁の創設を歓迎している。しかし、消費者庁が福田首相の目指す「消費者行政の司令塔」になれるかどうか、不安を抱く関係者は多い。

 現に、既得権益を確保しておきたい関係省庁が、専門性と一体性をタテに法律の移管に抵抗、完全移管は14本のみで、9本が一部移管、7本が共管となった。たとえば、「食の安全」確保のため、福田首相が食品安全委員会を消費者庁に所管させることを主張したものの、岸田消費者担当相は役所側の意向を受けてこれまで通り内閣府の所管でいいと主張、決着は先送りされている。また、少人数で多くの法律を所管するため、政策の企画・立案は結局、関係省庁に丸投げすることになるのではないか、と運用を危ぶむ声が出ている。

 消費者問題が専門の弁護士・片山登志子氏は、「関係省庁から集める職員については、事業者に配慮する意識を持たせないためにも、出身省庁にいずれ戻る出向ではなく、退路を断って来るようにすべきだ」(朝日新聞5月25日付)とクギを刺している。


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