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知らないと恥をかく新語・新知識
iPhone
(アイフォーン)
2008.06.26 更新
 ソフトバンクモバイルは、7月11日にコンピューター機能をあわせもつ米アップル製の携帯電話、「iPhone(アイフォーン)」を発売する。初代モデルは日本では未対応の携帯電話方式、GSM(Global System for Mobile Communications)を採用していたため販売が見送られていたが、3G対応機の開発で問題が解消され、ドコモとソフトバンクによるiPhone争奪戦が決着し、発売へのお膳立てがようやく整った。

 iPhoneの最大の特徴は、その操作性にある。入力キーがなく、マルチタッチスクリーンと呼ばれる、ディスプレイに表示されたアイコンを指で直接タッチして操作する。キーパッド式が主流の携帯電話の世界では革新的といえる。また、高速インターネット通信も可能で、パソコン上のメールやカレンダー、アドレス帳との共有もできる。07年6月にアメリカで発売されて以降、5月末までに世界で約600万台を販売、わずか1年のあいだに、アメリカでの携帯シェアの1割を超えるという勢いだ。

 若者に人気の携帯音楽プレーヤー、iPod(アイポッド)機能を搭載したことも人気を後押ししている。携帯電話さえあれば、手帳もゲーム機も、デジカメも音楽プレーヤーも不要というマルチメディア機能がいわれて久しいが、実際には、使用するデータ量に応じてメモリーカードを買い足さなければならなかったり、ディスプレイのサイズが小さいなど、限定される要素が少なくなかった。

 発売される「iPhone3G」は大容量メモリーが内蔵され、8GBモデルでは音楽で1,750曲、動画なら約10時間分の保存と持ち運びが可能となる。アスキー・メディアワークスが実施した調査によると、携帯電話会社を変更することなく利用できるなら、「検討する」を含め、51%が購入に前向きな姿勢を示しており、国内携帯メーカーにとっては、まさに“黒船の来航”だ。

 端末価格も、現行の国内メーカーの携帯端末価格が5万円前後が主流なのに対し、iPhone(8GB)は2万3000円程度と異例の低価格である。これは、1台あたり4万円を超える販売奨励金を出すことで、幅広い普及を目指すソフトバンクの意気込みを表している。背景には、現在約800万人にとどまるデータ定額サービスへの加入者を増やし、音声通話からデータ通信サービスで稼ぐという、携帯事業モデルの大きな転換をはかる狙いがある。

 いっぽうライバル各社の反応は冷ややかだ。ひとつには、iPhoneが国内で主流となっているワンセグ(携帯向け地上デジタル放送)や、「おサイフケータイ」などの電子マネーに対応していないこと、また、タッチパネル方式がユーザーに受け入れられるのかといった懸念があるためだ。シャープの長谷川詳典常務は、「日本には、メール文化があり、メールが使いやすいことが日本の端末のポイント」(毎日新聞6月24日付)と指摘する。

 iPhone争奪戦に敗れたドコモの山田隆持社長は23日の会見で、「投入をあきらめたわけではない」と再度導入への意欲を表明している。MM総研の横田英明研究部長も、「ソフトバンクだけならそれほどでもないが、NTTドコモからもでるようなことになれば影響は計り知れない」と分析する。すでに世界第2位の携帯電話端末メーカーである韓国のサムスン電子が、iPhone対抗機種となるタッチパネル式多機能携帯端末を年内にも発売する意向を明らかにしており、今後、ユーザー数が増加すれば、タッチパネル式携帯市場が拓けることは必至だ。

 多機能携帯の一機種あたりの開発費は、100億円ともいわれる。価格競争の激化により、再編の進む通信業界だけに、iPhoneの動向に注がれる視線は熱い。


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