政府は30日、金融不安下の景気後退に対応するため、「生活対策」と銘打つ追加経済対策を発表した。事業規模は、中小企業に対する融資枠の拡大など、過去最大となる27兆円。このうち実質的な財政支出となる、いわゆる“真水”部分は5兆円で、財源は財政投融資特別会計などの「埋蔵金」を使い、赤字国債は発行しない方針。
概要は、(1)金融・経済の安定化=金融機関への国の資本注入枠を拡大する/証券優遇税制の3年間延長/中小企業向けの保証枠・政府系金融機関の貸付枠を拡大/ほか(2)地方の底力の発揮=道路特定財源の一般財源化によって地方に1兆円/地方自治体に低利融資する金融機構の設立/住宅ローン減税の延長・拡充/高速道路料金の値下げ/ほか(3)生活者の暮らしの安心=総額2兆円の定額給付の実施/雇用保険料の引き下げ/年長フリーター雇用企業へ奨励金/第2子以降の未就学児に子育て支援手当てを支給/ほか、と、家計に配慮した内容になっている。
今回の経済対策の目玉は、目下、バラマキ批判の槍玉にあげられている「給付金」と、東京、大阪の首都圏を除いて高速道路料金を土日・祝日原則1000円で乗り放題、それに「住宅ローン減税」の生活者支援策だ。給付金については、現金にするのか、クーポン券にするのか、具体的な実施方式はまだ決まっていないが、実行されれば、夫婦と子ども2人の標準的な4人家族で、6万4千円が年度内に、全世帯に給付される見込み。ただ、給付を受けても、高齢者は貯金に、サラリーマン家庭では、ローン支払いの補填に回わしてしまい、消費を押し上げる効果があるかどうかは疑問視する専門家が多い。また、所得に関係なく一律支給するのは、定額減税にくらべて不平等、という声もある。
高速道路料金の値下げについては、@観光地へのドライブなど需要が喚起される、A燃料高騰で苦戦を強いられている運送業者に配慮して、平日を3割引、首都高速と阪神高速は別途休日に一定額を割り引くなどしているため、ETC利用者に限られるとはいえ、地域経済に与える活性効果の期待度はおおむね高い。
住宅減税では、@控除可能額の過去最高水準までの引き上げ、A省エネ・バリアフリーのためのリフォーム減税が盛り込まれた。@については、控除額は明らかになってないが、過去最高とすると、借入金6000万円で、所得税から年間600万円の控除になる可能性が高い。マンション販売が急激に落ち込んでいる現在、不動産業界はいちように歓迎している。
今度の追加経済対策の発表に際して、麻生首相は、3年後に消費税を引き上げる意向を表明した。消費税引き上げ時期の明言は初めて。
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