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大麻取締法
2008.11.20 更新
 早稲田大学、慶應大学、法政大学の学生らが大麻を所持・売買した疑いで逮捕され、日本の大学のキャンパスに大麻汚染が広がっていることがわかった。読売新聞が関東と関西の24大学で調査した結果によると、2003年以降、少なくとも10大学の43人が大麻取締法違反などで逮捕・書類送検されていた。

 日本の麻薬規制は、アヘンを取り締まった江戸時代末期の禁令にはじまり、それが明治維新後、しだいにモルヒネ、ヘロイン、コカインなどに拡大され、1953年の麻薬取締法に集約された。しかし、大麻はこの対象外で、1948年の大麻取締法によって規制されている。

 大麻取締法では、大麻を栽培もしくは取り扱うことができる者は、都道府県知事の許可を得た栽培者と研究者に限られている。これに反し、みだりに大麻を栽培もしくは輸出入した者は7年以下の懲役(営利の場合は10年以下の懲役)、たんに所持したり使用したりするだけでも5年以下の懲役に処される。

 大麻草の薬物になる部分は、おもに花と葉のため、茎と実(種子)は、法律の対象外となっている。茎は布などの繊維として使われているし、実は七味唐辛子などにも入っている。逮捕された例の多くは、インターネット通販などで、輸入された種子を入手し(栽培目的の販売は違法だが、「観賞用」「料理用」「標本」などとうたえば販売も可能)、自宅のベランダなどで大麻草を栽培したものだ。

 一般に、大麻はコカインなどのハードドラッグとは区別してソフトドラッグと呼ばれ、一部には規制を緩和している国もある。たとえばオランダでは、70年代にドラッグが一部解禁され、大麻は少量であれば国内のコーヒーショップ(ドラッグを扱う認可を得ている店は一般にこう呼ばれる)で買うことができる。そのためオランダには、世界各国からドラッグツーリストと呼ばれる客が訪れる。10月には、大麻販売の国内最大手だった雑貨輸入販売会社が大麻取締法違反で摘発されたが、この店が販売していたのはオランダから輸入した種子だった。直営店やネット通販を通して、これまでに60万粒を販売、約6億円を稼いだという。

 オランダは、EU諸国からコーヒーショップを閉鎖するよう圧力を受けているが、いまのところ、閉鎖してドラッグの売買を闇組織の手に渡すよりは、政府がコントロールしたほうがよいという理由でやめる気配はない。もっとも、オランダでは、売ることはできても栽培や仕入れは禁じられている。つまり、コーヒーショップは闇ルートで大麻を仕入れるしかなく、政府がいくら「出口」をコントロールしても、大麻が犯罪組織の資金源になるのを阻止することはできないのである。これはオランダ国内では長年にわたる課題だが、まだ有効な解決策は見出されていない。

 大麻は常用しても害がないとよくいわれるが、ソフトドラッグとはいえ、大麻による身体的・精神的ダメージはけっして軽いものではない。乱用すれば気管支やのどを痛めるし、免疫力の低下ももたらす。深刻なケースでは大麻精神病と呼ばれる幻覚や知的水準の低下などが報告されている。実際、大麻を入口にして、コカインなど依存性の大きいドラッグに進む例が多いことから、各国とも警戒を強めている。イギリスでは、2004年に大麻の危険度をBランクからCランクに引き下げた(個人の使用目的で所持しているだけなら逮捕されない)が、最近また引き上げる動きが出てきている。

 今回の摘発をきっかけに、国内の各大学ではようやく対策に乗り出した。関西大学では、学内LANを通じて、学生や教職員が匿名で通報する仕組みを作ったが、半年たっても通報はまったくなく、学内の薬物汚染の実態はつかめないのが現実だ。


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