3日午後、ストーカー規制法違反で有罪が確定(懲役6ヶ月、執行猶予2年)した下山芳晴・宇都宮地裁判事の罷免を決める弾劾裁判の初公判が開かれた。裁判官弾劾裁判所は永田町の参議院第2別館の9階に設けられ、この日出廷した下山判事は、訴追事実に対し、「すべて事実でございます」と全面的に認めた。
下山判事は、甲府地裁都留支部長だった今年2〜3月にかけて、部下の裁判所職員の女性に対し、「こんばんは、もうお風呂入った?」「きょうはお昼も夕方も邪魔が入って会えなくって残念だったよ」などといった嫌がらせメールを計16回にわたって匿名で送りつけていた。4月に入ってから、被害者本人に自分がやったと告白し、その後山梨県警に逮捕、起訴された。
弾劾裁判は戦後7回行われており、うち5回で罷免判決が下っている。日本では司法権の独立を守るため、憲法で裁判官の身分を手厚く保障しており、国会の裁判官弾劾裁判所による罷免を受けないかぎり、裁判官がその職を解かれることはない。
弾劾裁判所は衆参両院の国会議員7人ずつの「裁判員」で構成され、公判は刑事裁判の手続きに準じて進められる。検事役は、同じく衆参の国会議員で構成される裁判官訴追委員会がつとめる。罷免判決は審理にかかわる議員の3分の2以上の賛成によって決まり、被訴追者は罷免されれば法曹資格を失い、退職金も支給されない。また、判決に対する上訴は認められておらず、言い渡し時点で判決が確定する。
下山判事の訴追委員会は去る9月9日、全会一致で弾劾裁判所に訴追請求を求めていた。しかし、衆院解散が取りざたされていたこともあり、公判開始の時期がずれ込んでいた。したがって、10月に下山判事の職務停止を決定したものの、この間も下山判事への給与は支払われ続けている。
下山判事はこの日、逮捕後に支払われた報酬とこれから支給されるボーナスについて、「制度上辞職できなかった。報酬がないと生活ができない状況で、返還したい気持ちはあるができないのが現実」と答えた。次回の判決公判は、12月24日午後1時から行われる予定だが、罷免されるのはほぼ確実。
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