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核関連物質のサンプル(試料)採取
2008.12.18 更新
 12月7日から北京でおこなわれていた北朝鮮の核問題をめぐる6者協議は、焦点となっていた核関連物質のサンプル採取など核施設の検証方法について、米朝間で文書化の合意が得られず、12日の中国の議長声明をもって終了。今後の協議の道筋も決まらないまま、北朝鮮の核問題は、オバマ次期政権に委ねられることになった。

 今回の協議で米国が目指したのは、北朝鮮の核計画の検証、具体的には核関連物質のサンプル(試料)採取だった。サンプル採取とは、原子力機関(IAEA)による国際基準の査察手順のひとつで、原子炉や使用済み燃料棒再処理施設に残っている核関連物質を集めて分析し、核兵器に使うプルトニウムが、いつ、どのくらい抽出されたかを推定するというもの。ただし北朝鮮には、こうした分析施設がなく、採取試料はIAEAの指定する欧米や日本の分析機関で行わなければならない。北朝鮮は、サンプル採取とサンプルの国外持ち出しを拒否、「家宅捜査をたくらむ主権侵害行為だ」(北朝鮮外務報道官)と非難した。

 ちなみに北朝鮮の申告によると、現在抽出したプルトニウムは、約30キロ。2006年におこなった核実験に使用したのは、うち2キロだったという。通常、核爆弾を製造するのに必要なのは、4キロから8キロといわれ、申告量はかなり少ない。また、使用済み核燃料棒から抽出されていないプルトニウムが約8キロ、さらに核施設に保存されているものを合わせると、現在北朝鮮は、44キロのプルトニウムを保有しているとみられている。

 米朝合意が不調に終わったのは、米朝、とりわけ政権末期に際して、できるだけ早く決着をはかろうと焦るアメリカ側の思い込みに大きな原因があった。北朝鮮外務省報道官が12日発表したところによると、10月初旬にヒル国務次官補が訪朝したときの合意文書は、(1)検証は現場立ち入り、文書確認、技術者の聴取に限る、(2)対象施設は寧辺に限定、(3)検証時期はエネルギー支援完了後、という内容(11月14日MSN産経ニュース)で、肝心の具体的な検証方法は、どこにも明記されておらず、検証地域も寧辺に限定されている。ヒル国務次官補が「核関連施設のサンプル採取については、すでに合意に達している」として今回の協議に臨んだものの、北朝鮮にあっさり拒否されたのは、それが米側の口頭による確認にすぎなかったためだ。この経緯が事実だとすれば、北朝鮮の核計画を検証するにあたって重要な手順のひとつを口頭で処理していたことになり、したたかな外交交渉で知られる北朝鮮に対し、ブッシュ政権としては、また詰めの甘さを露呈させたかたちになった。

 米政府が10月にテロ支援国家指定の解除をおこなったのは、「過去6カ月間、テロ支援をしていない」など、解除要件を満たしていると判断したためだが、ペリーノ大統領補佐官は11日、6者協議が不調に終わったのを受けて「米国としてこれまでやってきたことを再考しなければならないだろう」と語り、北朝鮮が要求する「行動対行動」を前提にしたエネルギー支援の見直しもありうることを示唆した(産経新聞12月12日付け)。

 今回の6者協議では、日本代表団は、北朝鮮と個別に接触して、棚上げになっている拉致被害者の再調査を要求するつもりでいたが、北朝鮮側は、「エネルギー支援に加わらない日本は、6者協議の参加資格がない」として、日本代表団との接触を拒否した。
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