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国連安保理 議長声明
2009.04.16 更新
 国連安全保障理事会は、14日未明(日本時間)公式会合を開き、ミサイル発射問題に関して、北朝鮮を非難する議長声明を採択した。これを受けて、北朝鮮は「六カ国協議に、二度と、絶対に参加しない」と脱退を表明した。

 北朝鮮は、4月5日、衛星名目でミサイルを発射した。日本は、06年の安保理決議(1718)に違反しているとして、追加決議を求めた。ライス米国連大使は「発射は明白な安保理決議違反であり、もっともふさわしい対応は決議、というのが米国の見解だ」と述べ、米国と日本は同じ立場であることを強調した。しかし、中ロが慎重姿勢を見せ、非難決議より弱い効果の「プレス向け発表」を主張した。最終的には、米中の歩み寄りによって、議長声明に落ちついたものの、各国の思惑がからみ、その効果については論議を呼ぶことになった。

 しかし、その文言は、「北朝鮮の発射を非難(condemn)する」という通常より厳しい表現になった。原案では「(過去の安保理決議1718に)従わず」とされていたものが「contravention(違反)している」と盛り込まれた。一般にこの言葉は「violation(違反)」よりも弱い表現とされるが、意味上はまったく変わらない。ミサイルか衛星かについては言及せず、「発射」とだけ書かれた。

 また、議長声明には珍しく「要求(demand)する」という文言が入り、北朝鮮が「さらなる発射を行わないよう」に要求した。さらに、北朝鮮にミサイル関連物質を輸入している貿易会社や金融機関の具体名を挙げたリストを作成することも含まれた。日本政府が、「異例に中身のある強いメッセージが出せた」(藪中三十二外務次官・日経新聞4月14日付)というのは、そうした理由がある。

 国連安全保障理事会の意思表明としては、法的拘束力のある「決議」、拘束力のない「議長声明」、記録に残らない「プレス向け発表」の3種類がある。「決議」は、さらに「制裁決議」や「非難決議」に分けられる。制裁決議の中でもっとも重いのが軍事制裁をともなう決議で、この場合はまず経済制裁の決議を経なければならない。いうなれば、プレス向け発表、議長声明、非難決議、経済制裁決議、軍事制裁決議、の順で重くなっていく。北朝鮮に対する安保理の対応は、過去こうした手順に沿ったかたちで、厳しくなっていった。

 98年8月に日本に向けて「テポドン1」を発射した際は、プレス向け発表だったが、06年7月の「テポドン2」発射のときは、日本は制裁決議を求めたものの中国の抵抗にあって、非難決議にとどまった。06年10月、核実験を実施した際は、日米の連携に加え、中国が北朝鮮を擁護できなくなったこともあり、経済制裁決議(1718)となった。この決議1718は、核・ミサイル・大量破壊兵器関連物質の禁輸、これに関わる個人や団体の金融資産凍結などを全加盟国に義務づけた。

 国内には、今回、強い決議が通らなかったことを責める声が少なくないが、北朝鮮に六カ国協議脱退を表明させたことを考えれば従来に増して中身のある議長声明だったことは間違いない。
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