デジタル機器やエコカーなどに使用されるため、このところ世界中で需要が高まっている金属のこと。ただ、埋蔵地域が一部の国に偏在しているため、各国で争奪戦がおこなわれている。経済産業省は、ニッケルやリチウムなど31種類をレアメタルに指定している。これらの金属はハイテク機器には欠かせない材料であるところから「産業のビタミン」ともよばれる。
プラズマテレビの発光体、デジタルカメラのレンズ、ハイブリッドカーのバッテリーにはレアアースという素材が使われるが、産出量の97%は中国だ。電気自動車の電池の材料となるリチウムは、南米のチリに44%、コバルトはコンゴに45%が偏在している。
装飾品の素材であるプラチナも、これらレアメタルのひとつで、車の排ガスの浄化には欠かせない材料だ。産出地も偏りがあり、南アフリカ、ロシア、カナダで90%以上を占めている。
近年は、新興国の需要の増大を背景に、各国が資源の獲得にやっきとなり、加えて投機マネーが流入、レアメタルの価格はいっきに高騰した。当然、各国の軋轢も激しくなり、レアメタル資源国の中国は、レアメタルほか、鉄鋼、アルミなど9品目の輸出を制限しはじめ、09年6月には、EUとアメリカから提訴される事態に発展した。
世界有数のレアメタル消費量を誇っている日本は、こうした資源調達の不安定性を見越して、1983年から、クロム、コバルト、タングステン、ニッケル、バナジウム、マンガン、モリブデンの7種類を対象に、備蓄制度(目標は42日分)を設けている。09年度からは、インジウムとガリウムの2種類を備蓄対象に追加した。
メーカーは、使用済みの小型家電からレアメタルを取り出すリサイクル事業に乗り出そうとしている。たとえば携帯電話は、液晶にインジウム、カメラにニッケル、振動モーターにはネオジムといったレアメタルが使われている。しかし、携帯電話1台に含まれるレアメタルは、微量なため、回収し、抽出するためのコストを勘案すると、いま現在、ビジネスとしては、成り立っていない。ちなみに、携帯電話を思い出としてとっておきたいと考える人が多く、過去1年間で携帯電話を処分した人は29%程度で、処分する人は4年連続で減少している(08年・電気通信事業者協会調べ)。
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