2011年7月24日までに、テレビは地上アナログ放送から地上デジタル放送(地デジ)へ完全移行する――現在、私たちはデジタル放送(03年開始)とアナログ放送(1953年開始)の両方を見ることができるが、アナログ放送が2011年で放送中止となるため、アナログ放送しか映らないテレビは、テレビ本体、あるいは地デジ受信用のアンテナやチューナーをこの2年の間に買い換えなければならない。
デジタル放送は、2001年の電波法の改正で導入が決まり、03年12月から、東京、大阪、名古屋の三大都市圏で始まった。地デジの最大のメリットは、高画質のハイビジョン放送であることだが、ニュースや天気予報などをいつでも見られたり、プロ野球中継で選手の情報をより詳しく取り出せる「データ放送」という機能がついている。
デジタル放送へ完全移行したときのもうひとつのメリットは、電波の有効利用ができる点だ。日本では現在、放送や通信に使える電波が満杯なため、アナログ放送を中止することで周波数に空きができ、次世代携帯電話や災害情報などの通信に振り分けることが可能になる。
デジタル放送を見るためには、(1)デジタル対応のテレビ(4万円〜30万円程度)に買い換えるか、(2)アナログ用のテレビに専用のチューナー(2万円程度)を取り付ける必要がある。さらに、アンテナも、UHF(極超短波)用ならそのまま使えるが、VHF(超短波)用の場合はUHFに交換なければならない(工事費に3万円程度)。
デジタル対応のテレビやチューナーの普及率は、09年3月の時点で60%と、ほぼ政府の当初目標に達した。今後は、生活保護世帯には無料でチューナーを配布するなどの措置を講じて普及率を伸ばし、09年9月までに72%、2011年4月までに100%の普及率を見込んでいる。いまのところエコポイント制度の効果で、薄型テレビの出荷台数が伸び普及率の上昇につながっている。だが、地域でみると、ばらつきがあり、沖縄県ではまだ37%と、トップの福井県(68%)の半分程度だ。
09年6月、すでにアナログ放送からデジタル放送へ完全移行した米国は、もともと06年に移行する予定だったが、予想に反して普及が進まなかったため、移行時期を延長したという経緯がある。日本でデジタル対応受信機の普及が進まず、万一完全移行が延びるようなことになると、放送局はアナログとデジタルの両方の放送を続けなければならず、経営を圧迫する可能性がある。ちなみに、世界で初めてデジタル放送を開始したのは英国(98年)で、ついでオランダやフィンランドが完全移行している。
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