総務省が発表した労働力調査(7月31日)によると、6月の就業者数は6300万人(前年比151万人減少)で、完全失業者数は348万人(同83万人増加)。完全失業率(季節調整値)は、5月から0.2ポイント上がって5.4%と、5カ月連続で上昇、過去最高の5.5%を超えるのは必至とみられている。
失業率調査は毎月末におこなわれるが、「完全失業者」とは、15歳以上の労働力人口のうち、その対象月に(1)仕事に就いておらず、(2)仕事があればすぐ就くことができる者で、(3)仕事を探す活動をしている者を指す。これに対し、その月に仕事をしたことがある者は(月末の1週間のあいだに1時間でも仕事をした場合を含む)「就業者」の範囲に入る。
いっぽう、「完全失業率」は、労働力人口(就業者と完全失業者の合計)に占める完全失業者の割合(%)を指す。この定義は、客観的に就業、失業の実態を把握するために、ILO(国際労働機関)の定めた国際基準に準拠したもので、米国など主要先進国も同じ指標を使っている。
完全失業率を国際比較すると、最新の統計では、日本が5.4%(6月)だったのに対し、米国は9.0%(7月)、ユーロ圏9.4%(7月)、ドイツ7.7%(6月)、フランス9.4%(6月)、スペイン18.1%(6月)と高く、英国は4.9%(7月)、韓国は3.8%(7月)にとどまっている。
エコノミストらの間では、潜在的失業者ないし隠れた失業者をカウントすると、日本の完全失業率はすでに過去最高の水準をはるかに超えているとの見方がある。その根拠とされるのが、政府の「雇用調整助成金」で、6月の申し込みがすでに230万人を超え、前年同月と比べるとの約1340倍となった。
雇用調整助成金とは、経営の苦しい企業が従業員を解雇できない場合、休業手当などの一部を助成して雇用を下支えする制度で、昨年秋からの世界金融危機を受けて12月に適用条件を緩和したところ申請が殺到した。この助成金がなければ、完全失業者は7割近く増え、完全失業率も9.1%にはね上がる計算だ。
こうした完全失業率の数値が実態とかけ離れていることについて、熊野英生・第一生命経済研究所主席エコノミストは「失業率の過小評価は経済政策の立案にマイナスになる」(産経新聞8月2日付)と批判している。いっぽう、余剰人員をあらわす企業内失業者数(推計)が過去最高の607万人になったことが7月の「2009年度年次経済財政報告」で明らかになった。これらはいずれ企業の人員整理で失業者となることが予想されることから、日本総合研究所の山田久主任研究員は「完全失業率は今年後半には6%台に達するのではないか」(「プレジデント」9月14日号)と予測する。
こうした深刻な雇用情勢を踏まえ、今回の総選挙では、自民・公明の与党が「職業訓練の大幅な拡充」、「国からの交付金で地方が雇用を創出する」ことを公約に掲げ、民主・社民・国民新党の野党は「求職者支援制度の創設」や「製造業派遣、日雇い派遣の原則禁止」を打ち出している。
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