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特定保健用食品(トクホ)
2009.10.15 更新
 10月8日、食用油として初めて「特定保健用食品」(トクホ)の表示許可をえた花王の人気商品、「エコナ」(1999年販売開始)が、トクホの失効届を政府に提出した。エコナに含まれる「エステル」という成分に発ガン性の疑いがあったというのが原因だ。

 ことし3月、ドイツの研究機関によって、エステルが体内で分解すると、発がん性物質のグリシドールになる危険性が判明した。花王のエコナには、このエステルが含まれていたため、厚生労働省は花王に調査を指示、6月、調査の結果、エステルの含有量が一般食用油の10〜182倍にのぼることが明らかになり、9月11日には、消費者団体が一時販売停止を要望していた。

「トクホ」とは、国による審査を通過したうえで、「虫歯の原因になりにくい」など、効果を表示することを許可された食品を指す。科学的根拠のない健康食品の氾濫(はんらん)を防ぐため、厚生省(当時)が91年9月に制度化したもので、認可を得るためのハードルは高く、薬事・食品衛生審議会と食品安全委員会により審査が行われる。ヒトへの試験も必要で、このため商品開発には数億〜数十億円がかかるといわれる。

 消費者庁の発足にともない、トクホの所管が厚生労働省から移管されたため、消費者庁は9月8日、食品安全委員会でエコナ再審査の手続きに入る方針を決めていた。花王が自主的に失効届を申請したのは、その矢先のことだった。

 トクホは当初、医薬品と区別するため、明らかな食品の形態をしていることが必須要件だったが、2001年、錠剤やカプセル状でも許可されるようになり、05年の見直しでは「条件付きトクホ」、「規格基準型トクホ」が新設され、疾病リスク低減の表示まで認められるようになった。現在、約890品目がトクホとして許可されている。ちなみに許可第1号は、93年6月、「ファインライス」(資生堂のアトピー性皮膚炎患者向けの低アレルゲン米)と「低リンミルクL.P.K」(森永乳業の慣性腎不全患者向け粉ミルク)の2食品。

 今回のエコナをめぐる経緯について、鈴木正成・早稲田大学スポーツ科学学術院教授(運動栄養学)は、「企業が都合の良いデータばかり選んで提出するなど、トクホの審査には問題点が多かった。消費者庁には思い切った制度の見直しを図ってほしい」と提案している(産経新聞10月12日付)。

 トクホの売り上げは伸びるいっぽうで、背景には、消費者の健康志向の高まりがある。日本健康・栄養食品協会が07年11月に実施したアンケート調査によると、07年度のトクホの新規許可件数は、過去最大の128品目で、市場規模は6798億円(メーカー希望小売価格ベース)といわれる。08年4月からは、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防のための、特定健康診査・特定保健指導が始まり、高血圧や中性脂肪、コレステロール対策のためのトクホ利用者が急増している。

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