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事業仕分け
2009.11.05 更新
 10月31日、仙谷由人行政刷新相は、視察先の静岡県庁で記者団に対し、「事業仕分けで、(予算編成作業の過程が)よく見える世界をつくることが、日本の財政破綻を乗り越える大きな手だ」と事業仕分けの意義を強調した。

 事業仕分けとは、行政が行う事業の無駄をなくし、透明性を確保するために、民間の有識者を加えて「不要」、「継続」、「民間へ」などに分類する作業のことで、作業過程は市民に公開される。民間シンクタンク「構想日本」の加藤秀樹代表(元大蔵官僚、行政刷新会議の事務局長に就任)が2002年に考案した。すでにこれまでに文部科学省など6省および各自治体で採用されており、国の事業仕分けでは、平均14%の事業費の削減が可能との結果が出た。また、全事業を対象にした岩手など8県の平均では、「不要」と「民間の仕事」と合わせると、削減すべき事業の金額は全体の10%になった。鳩山政権はこの事業仕分けをそっくり来年度予算編成作業に持ち込み、95兆円の2010年度概算要求額を3兆円程度削減する方針だ。

 10月22日、行政刷新会議の初会合が開かれ、国が所管する約3000の事業のうち、規模が大きく、無駄遣いの可能性が高い約300の事業を対象に仕分けすることを決めた。担当する省庁別に3つの作業チームを発足させ、チームには国会議員7人と民間有識者約50人が参加、4日から聞き取り調査を始め、現地調査を経て、11日から公開の場で議論して事業の要不要、民間や地方移管の是非を検討し、11月末に結論を出す。

 発足にあたって行政刷新会議の議長でもある鳩山首相は、「『必殺仕分け人』という思いをもって頑張ってほしい」と事業仕分けチームを激励した。土居丈朗慶応大学教授(財政学、公共経済学)は「これまでの予算は、各省庁が要求を出して査定した予算書をホチキスで留めてボトムアップする方式だったが、民主党はトップダウンで政治家が判断して優先順位をつける方式にする。各省庁に囲い込まれた予算を政治主導で剥ぎ取るもので、公開の場でやることに意味がある。国民に理解できなければ、各省庁の言い分は却下される」(毎日新聞10月29日付夕刊)と高く評価している。

 いっぽう、事業仕分けを懸念する声もある。膨大な事業の中身を精査するには時間が足らず、結局、専門家である財務省の主計局官僚に依存しなければ作業が順調に進まない。現に、財務省は「まちづくり関係補助事業」や「医師の人件費等への国庫負担」など19の事業、約5兆3000億円分を見直し案としていちはやく列挙した。このため、民主党内には「結局、財務省主導の予算編成に変わりがない。脱官僚依存に反する」との自嘲めいた批判がくすぶっている。また、既得権益となっている特別会計や独立行政法人が「聖域のはずだったのに、こんどは財務省が手を突っ込んでくるのではないか」との警戒心がこれまで以上に広がっているともいわれる。

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