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論 点 「食品偽装事件の本質とは」 2009年版
賞味期限は意味ないの。人まかせにしちゃったことが問題なの!
[食品偽装についての基礎知識] >>>

うおつか・じんのすけ
魚柄仁之助 (食生活研究家)
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冷蔵庫に入れとけば安心と思ってませんか
 何をおこってんだろ? ニッポンの消費者は。賞味期限なんて、なーんの保証もないのに。知ってますう? 賞味期限を決めるのはその食品の最終製造者でして、届け出も検査もありゃしない。「五カ月くらいにしとこうか?」で、「五カ月」と賞味期限をスタンプすりゃそれでいいのだ。保健所などによる定期検査もありまっせん。そんなアヤフヤな期限に目くじらを立ててるニッポンの消費者って、生活防衛力が欠落してんじゃないでしょか?
 そもそも、生物は食中毒とたたかってきたんです。河豚を食べて死に、毒きのこでもがき苦しみ、腐った肉で下痢を起こし、それらを教訓として「食の安全」を文化として築いてきたんでしょう。それがどーだ。冷蔵庫をはじめとする文明の利器を手に入れ、科学の進歩によってさまざまな加工食品を手に入れた二〇世紀後半、そのたった五〇年間で生活防衛力をスッポーンと捨て去り、食の安全は人まかせになっちゃった。イカガナモノカ?
 人類が食べ物を保存するようになったのは、当然飢餓にそなえてのことだったのでしょう。その保存方法は「乾燥法」だったと考えられます。米でもどんぐりでも魚や肉でも、しっかり天日で乾燥させとけば長期保存できることを知り、その保存食で食料の手に入りにくい冬場をしのげるようになった。その乾燥法に続いて塩蔵法などが生まれ、今日では滅菌したレトルトパックなどもできるようになった。冷蔵庫が一人暮しの学生さんにまで普及したのは一九七〇年代の終わり頃と思われる。それから今日まで約三〇年。その間に、食品を干して保存することを大半のニッポン人はやめてしまった。冷蔵庫に「とりあえず」入れとけば大丈夫……と思ってるようだ。買ってきた秋刀魚をパックごと冷蔵庫に入れれば、その時から秋刀魚は傷み始める。しかし内臓をとり、塩や酢でしめ、空気を抜いてパックしとけば、秋刀魚は「熟成」してより美味しい食べ物となってゆき、最長三週間後、熟成なれずし状になる。しかし今のニッポン人は高価ななれずしをデパ地下で買ってる。オカネモチダ。


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うおつか・じんのすけ
魚柄仁之助

1956年福岡県生まれ。実家は1918(大正7)年創業の老舗料理屋。宇都宮大学で農業を学んだ後、古道具屋経営などを経て、食文化研究家に。自らの経験から、安くておいしく、手抜きを心得た料理・生活術を説いた『うおつか流台所リストラ術』や『ひと月9000円の快適食生活』がベストセラーに。最新の栄養学に加えて東洋の伝統食を研究し、「ウオツカ流極楽膳(ぜん)」を提案する。著書に『冷蔵庫で食品を腐らす日本人』『うおつか流大人の食育』、コミック『おかわり飯蔵』(原作)など多数。



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