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論 点 「温暖化対策は有効か」 2009年版
温暖化の要因が温室効果ガスなのは疑いない――低炭素社会は実現可能
[地球温暖化についての基礎知識] >>>

にしおか・しゅうぞう
西岡秀三 (国立環境研究所理事)
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▼対論あり

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この一〇年で飛躍的に進んだ気候の科学
 世界平均温度の上昇、雪氷の広範囲にわたる融解、海水面上昇などから温暖化傾向は明らかで、識別可能な人間の影響が、海洋の温暖化、大陸規模の平均気温の極端な高低温に及んでいる。温室効果ガスの排出が増加し続けた場合、二一世紀にはさらなる温暖化で、世界の気候システムは二〇世紀に観測されたものよりも大規模な変化にみまわれる―。
 このIPCC第四次報告書の指摘は、きわめて深く慎重な科学的審査を経て、ようやく得られたものである。IPCCは毎回一〇〇〇人もの科学者に作業を依頼し、各分野の専門学会で審査を受けた論文を対象にして、その時点での最新科学の現状から言えることは何かを分析しまとめる。原案は二年にわたって世界の研究者・政府に回覧され、批判を受け入れる。一九九〇年の第一次報告書では、温暖化の原因が人為的か否かはあと一〇年たたないと判断できないとしていた。その後一五年の間に、現実の気候変化が顕著になってくるとともに、衛星や海洋ブイによる観測が進み、気候変化や影響のプロセスがだんだんに判明し、さらには複雑な気候システムを統合的に解析するための気候モデルが、高速コンピュータの発達で大きく進歩し、科学の結論が絞られてきた。その集約が二〇〇七年の第四次報告書の記述である。
 二〇世紀半ば以降の平均気温の上昇のほとんどは、人為起源の温室効果ガスの増加によってもたらされた可能性がかなり高いとも報告された。今の気候変化が人為的か否かに関して、否定的な論議が多く市中でなされている。それらの議論のほとんどはこれまでのIPCC報告で十分に検討されており、あるものは制約されたデータ範囲内での事実でしかないと判定されたり、温暖化への寄与が他の要因より少ないと判断されている。気候の科学はきわめて複雑で、類書で提出されるひとつの要因だけで解明できるほど簡単なものではない。世界の智恵の結集の場として、今はIPCCの見解に沿って判断するのが妥当であろう。


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論 点 「温暖化対策は有効か」 2009年版

対論!もう1つの主張
温暖化の要因は温室効果ガスだけではない。 CO2排出規制で防止は無理
伊藤公紀(横浜国立大学大学院教授)
海は巨大な熱帯雨林――海に鉄を撒けば温室効果ガスを吸収できる
畠山重篤(牡蠣養殖業)


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にしおか・しゅうぞう
西岡秀三

1939年東京都生まれ。東京大学工学部卒業、同大学院博士課程修了。工学博士。専門は、環境システム工学、環境政策学。旭化成工業、慶應義塾大学教授などを経て、2001年に国立環境研究所理事に就任。07年ノーベル平和賞を受賞したIPCC(気候変動に関する政府間パネル)において、88年より第二作業部会報告書の執筆を担当。現在は同研究所特別客員研究員。著書に『地球環境50の仮説』、編著に『日本低炭素社会のシナリオ』『新しい地球環境学』などがある。



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