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論 点 「温暖化対策は有効か」 2009年版
海は巨大な熱帯雨林――海に鉄を撒けば温室効果ガスを吸収できる
[地球温暖化についての基礎知識] >>>

はたけやま・しげあつ
畠山重篤 (牡蠣養殖業)
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▼対論あり

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宮沢賢治と私をつなぐもの
 二〇〇四年(平成一六年)、「森は海の恋人」運動が宮沢賢治イーハトーブ賞を受賞した。漁師による広葉樹の植林運動と、子どもたちを海に招き、環境教育の手助けを続けてきたことが評価されたのだと思う。
 表彰状を渡され、その文面のユニークさに心が躍った。「もし賢治が漁師であったら、あなたと同じ発想で同じ行動を起こしたことでしょう……」。以来賢治はますます身近な存在になった。
 賢治には「石っこ賢さん」の愛称があり、石のコレクターとしても知られている。JR大船渡線・陸中松川駅の近くには賢治のコレクションを展示する「石と賢治のミュージアム」がある。
 じつは、私もいま、ある“石っこ”に凝っている。私の持っている石は賢治コレクションにはない。〇八年春、西オーストラリア、ハマスレー鉱山まで旅して拾ってきた縞状鉄鉱石である。
 三五億年前、光合成をする生物が海に出現した。シアノバクテリアだ。光合成によって海中に酸素が放出された。原初の海にもっとも多く溶けていた物質は鉄である。一五億年かかって鉄は海中から取り除かれ、酸化され粒子となって沈降した。シアノバクテリアの死骸もマリンスノーとなって沈み、それらが交互に重なりあい、縞状の堆積物と化したのが縞状鉄鉱石である。
 この石っこには、三五億年の地球の歴史が刻みこまれている。また同時に、なぜ海中に鉄が極端に不足しているかも物語っているのだ。
 農芸化学が専門の賢治は、植物と鉄との関わりは熟知していたはずだ。稲の育ちが悪くなったら、崖の赤土を水田に入れるよう指導したに違いない。赤土には鉄が多く、鉄は肥料の吸収を助ける力があるからと教えたはずだ。
 だが、海の植物プランクトンと鉄との関わりについて思いをめぐらすことはなかったであろう。そのことが解明されてからまだ二〇年しか経っていないからだ。


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論 点 「温暖化対策は有効か」 2009年版

対論!もう1つの主張
温暖化の要因が温室効果ガスなのは疑いない――低炭素社会は実現可能
西岡秀三(国立環境研究所理事)
温暖化の要因は温室効果ガスだけではない。 CO2排出規制で防止は無理
伊藤公紀(横浜国立大学大学院教授)


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はたけやま・しげあつ
畠山重篤

1944年中国・上海生まれ。終戦後、宮城県唐桑町に引き揚げ。気仙沼水産高校卒業後、家業の牡蠣養殖業を継ぐ。豊かな海を守るために気仙沼湾に注ぐ大川上流の山に植林活動を行う「牡蠣の森を慕う会」を結成、上流の子どもたちを海に招き、環境教育も推進している。この活動は「森は海の恋人」運動として広まり、数々の賞を受賞した。著書に『森は海の恋人』『リアスの海辺から』『牡蠣礼讃』『鉄が地球温暖化を防ぐ』、共著に『漁師が山に木を植える理由』などがある。



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