日本が国際政治でリーダーシップを発揮する最大のチャンスだった洞爺湖サミットは、気候変動問題に対しても原油高対策に対しても、何の成果もなく「空騒ぎ」だけに終わった。レイムダック化しているブッシュ政権に寄り添い、迎合するだけの議長国日本の姿に、もはや世界は何も期待していない。 リーダーシップを期待しようにも、およそ無理な事情もあった。国内のエネルギー改革が一向に進まず、二〇〇九年一二月にコペンハーゲンで先進国が合意すべき二〇年までに、一九九〇年比二五〜四〇パーセントという削減水準には到底届きそうにない。それどころか、後述のとおり、足元の京都議定書の達成さえ絶望的だ。 目を海外に転じると、自然エネルギーが年六〇パーセントもの成長を続け、〇七年には再投資を含め一六兆円もの投融資規模に達した。一〇年後には自動車産業に匹敵する勢いの自然エネルギー市場で、欧米中印が大競争を繰り広げているのだが、そこに日本の姿はない。わずか数年前に世界一を誇った太陽光発電も、残光を残すばかりだ。 エネルギー変革を阻んでいる最大の障害が、温暖化対策の柱とされる「原子力」と古い電力市場構造である。本稿では、とくに原子力をめぐる課題を明らかにし、目指すべき方向性を示唆する。
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