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論 点 「いま必要な地震対策とは」 2009年版
石油タンク、高層ビルに大被害を及ぼす「長周期地震動」の脅威に備える
[地震対策についての基礎知識] >>>

はまだ・まさのり
濱田政則 (早稲田大学教授)
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人口過密地の大脅威、「長周期地震動」の揺れ
 中央防災会議の予測によれば、東海地震・南海地震など駿河トラフ沿いの巨大地震の今後三〇年間における発生確率はいずれも七〇パーセントを超えている。また、東京湾北部を震源とする地震の発生確率も高く、この地震による死者は一万一〇〇〇人、倒壊家屋・建物は八六万棟に達すると予測している。将来の地震への備えを考える場合、緊急に対応を要する課題の一つに長周期地震動に対する都市の安全性の問題がある。
 地震が発生すると建物や地盤が「ガタガタ」と揺れるのを体感する。このガタガタとした地震の揺れの周期は通常の場合、長くても一・〇秒程度で、ほとんどの場合はそれよりも短い周期の揺れである。しかしながら、地震の揺れの中にはもっとゆったりとした周期の長い成分が含まれている。周期で二秒から一〇秒程度の揺れで、人体にはあまり感じることのない揺れがある。あたかも船の上で感じるような揺れで、これを一般に「長周期地震動」と呼んでいる。
 長周期地震動は関東平野や大阪平野など、地下深部に深い堆積層(沖積層や洪積層)が存在する地域に発生する。たとえば東京湾周辺を例にとってみると、この地域には深さ二〜三キロメートルの堆積層が盆地状に存在する。地震波が岩盤を伝わってこの盆地状の地形に入射して来ると、盆地の中に地震波が閉じこめられた形となり、地震動の長周期成分が大きく増幅されることになる。これが長周期地震が発生する原因であり、このような地形を有する地域は関東平野、大阪平野以外にも多数存在する。


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はまだ・まさのり
濱田政則

1943年神奈川県生まれ。早稲田大学理工学部卒。東京大学大学院修士課程修了。工学博士。大成建設、東海大学海洋学部教授を経て、94年より早稲田大学理工学部教授。土木工学、地震・防災分野の専門家として、長周期地震動に対する建造物の安全性、被害の程度について研究を進めることで、耐震設計法や耐震補強の開発に取り組む。(社)土木学会会長、地域安全学会会長、日本学術会議会員を務める。共著に『地盤・基礎建造物の耐震設計』『新体系土木工学1数値計算法』などがある。



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