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論 点 「健康情報にウソはないか」 2009年版
誰も知らない、健康と医療の常識・非常識をそっと教えましょう
[健康情報についての基礎知識] >>>

よねやま・きみひろ
米山公啓 (作家、医師)
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傷口を消毒するとかえって治りにくくなる
 医療や健康に関係する情報が、これほどあふれていながら、誤解して理解されていることが多い。みんながそう言っているというだけで、真に受けてしまったり、テレビ番組で有名キャスターが言えば、そのまま、真実だろうと思い、食材を買いに行くなど、人の行動まで影響力を持つようになった。
 しかし、多くの医学情報には根拠がなかったり、統計学的な信用度が低かったする。いったい何を根拠に医学的な真実を理解すればいいのであろうか。
 血液型と性格とは科学的には関係がないという事実がありながらも、多くの人は血液型と性格を関係があるように語ってしまう。医学的に信用度のレベルの違うものが、氾濫しているのが現状である。
 もちろん、医療行為はすべて科学的根拠に基づくものではない。また、経験的に正しいと思っている誤った行為を改めることは非常に難しく時間がかかる。
 いままで信じられていた医学的な常識、健康知識を見直し、医学における真実、健康知識というものをどうとらえていけばいいか考えてみたい。
 いまだに多くの医療機関では、怪我をしたときに、消毒してガーゼを当てているのではないだろうか。ところが消毒することで、感染を予防できることも、傷が早く治ることも、実証されていないのだ。現在では、消毒薬は細胞毒(細胞を殺すという意味)であり、傷口を消毒すると、かえって治りが遅くなることがわかってきた。流水で傷口を洗うだけで十分なのだ。アメリカでは、傷口をヨード製剤で消毒した場合、保険が下りないという。また、傷口を乾燥させないことが、治りを早くするので、従来のようにガーゼを毎日取り換えるのは、やはり治りを遅くしてしまう。
 今では、傷口を医療用の大きなテープで密封するようになった。褥瘡(床ずれ)も、こういったテープを使ったほうが治りが早い。いまだに、傷口を消毒している医療機関があれば、その医療レベルを疑うべきだ。しかし、医療の最前線では、医学的に正しいとわかっていても、従来から行われていることを、そのまま続けてしまうのが現状である。医学的に証明されてきたことだけをやっているわけではないことの典型である。


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よねやま・きみひろ
米山公啓

1952年山梨県生まれ。聖マリアンナ医科大学医学部卒。超音波を使った脳血流量の測定や、血圧変動からみた自律神経機能の評価などを研究。老人医療・認知症問題にも取り組んでいる。98年聖マリアンナ医科大を退職し、本格的な執筆に入る。医学ミステリー、エッセイ、医療実用書などこれまでに200冊以上を手がける。近著に『脳がどんどん若返る生活習慣』『医療格差の時代』『医者が病院から逃げ出すとき』『メモする人は脳がどんどん若返る』『健康偽装』などがある。



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