明治の昔から、日本の学校教育に関わる論争のなかで、大学入試、あるいはそれに相当する入学者選抜制度の問題は中心近くに位置してきた。そして、入試はつねに悪役だった。それは、本来、高邁な目的に捧げられるべき教育的営為が入試の存在のために歪められ、試験のための無意味な競争に貶められる、との認識による。かくして、入試は常に改革の標的となり続けてきた。 昨今の教育界において「錦の御旗」の旗印となってきたのは多様化という言葉ではなかろうか。ご多分に漏れず、大学入試でも多様化が強く推奨されてきた。文脈によっては異なるニュアンスも感じられるが、とくに「選抜方法の多様化」、「評価尺度の多元化」は入試改善のあるべき方向性とされてきた。具体的には、前者は「学力検査だけではなく、調査書、小論文、面接、その他の資料を有効に活用して入学志願者の能力・適性を多面的に評価し、合否を定めるべき」ということで、後者は「学科試験を中心とした一般選抜以外にも様々な選抜方法を工夫すべき」ということだ。AO入試(アドミッション・オフィス入試)はこのような大学入試多様化政策の一環として登場した。
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