1000の論客、1000の主張 日本最大の論争データベース『日本の論点PLUS』ついに誕生!!
日本の論点PLUSとは? 本サイトの読み方
日本の論点PLUS
執筆者検索重要語検索
フリーワード検索 
検索の使い方
HOME 政治 外交・安全保障 経済・景気 行政・地方自治 科学・環境 医療・福祉 法律・人権 教育 社会・スポーツ
今週の必読・必勝 日本を読み解く定番論争 議論に勝つ常識一覧

論 点 「なぜランキングに頼るのか」 2009年版
自分の頭で考えない現代人のランキング・バカ度、お計りします
[ランキング依存についての基礎知識] >>>

あらしやま・こうざぶろう
嵐山光三郎 (作家)
▼プロフィールを見る

全2ページ|1p2p
ランキングのルーツは江戸時代にあり
 日本人はもともとランキングが大好きです。観光スポットにしても、日本三景だの名所百景だのとしてランクづけしました。風景のランキングは中国の名所に似たところが選ばれましたし、水墨画の山水図も参考になりました。
 日本三景は松島、天橋立、厳島神社で、富士山は入っておりません。三景じゃ足りないというので八景、三十六景、百景とふえていったわけです。どこへ旅をしたらいいのかわからない庶民にとっては、名所をどことどこにきめてくれるのは至極便利でした。また、そういった名所に指定されると、風景のほうも気合いが入って、姿かたちをととのえるといったことになります。
 江戸時代には、ランキングのさきがけともいうべき番付が出廻っていました。さしあたっては相撲番付です。一番強いのが横綱で、大関・関脇・小結とつづいていきます。相撲は実力の世界ですから、ランキングははっきりとしていました。一番強い横綱に品格が求められたのはランキング一位の責任といっていいでしょう。
 相撲以外にも、いろいろな商売、役者、遊廓、風俗、流行、名物などが番付になりました。歌舞伎役者の人気番付、美人芸者番付、高級料亭番付、東西長者番付、名所番付、歴史上悪人番付、名山番付、全国名物番付、となんでも番付にしてしまうのが江戸っ子でした。
 明治に入って文明開化となると、名企業番付や発明品番付、名士番付、酒豪番付なんてのが出てきます。こういった番付は、一種の評判記で読み物です。正確なデータにもとづくものではなく、番付を書く人の主観が入ります。したがって、ランキングをきめた勧進元が表記されておりました。番付を読む人も、偏見であることを知っていたわけです。
 滑稽読み物としての「怖いもの」番付、東西悪妻番付、花柳界評判番付なんてのが出てきます。全国温泉番付や駅弁番付は、旅をする人のガイドブックがわりでした。
 人間の頭に入るランキングはベスト3ぐらいまでで、せいぜいベスト10が限度でしょう。頭に入らないぶんは番付を見て思い出すわけです。


続きはこちら



▲上へ
personal data

あらしやま・こうざぶろう
嵐山光三郎

1942年静岡県生まれ。国学院大学文学部卒。平凡社に入社し雑誌「太陽」編集長として多くの作家と交流し、名編集者として知られた。エッセイスト、作家としても活躍し、81年に独立、青人社を設立し「月刊ドリブ」を創刊した。講談社エッセイ賞を受賞した『素人庖丁記』、泉鏡花文学賞・読売文学賞をダブル受賞した『悪党芭蕉』、37人の文士の「食」の嗜好を通してその文学の本質に迫った『文人悪食』のほか、『追悼の達人』『芭蕉紀行』『おはよう!ヨシ子さん』など多くの著書がある。



▲上へ
Copyright Bungeishunju Ltd.