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論 点 「地震防災対策をどうするか」 2004年版
富士山噴火、原発事故――東海地震の対応を誤れば「死都日本」は現実となる
[東海大地震についての基礎知識] >>>

いしぐろ・あきら
石黒 耀 (作家、医師)
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被害額は日本の年間国家予算に匹敵する
 二〇〇三年(平成一五年)三月、中央防災会議は、東海地震の被害額が直接的被害だけで二六兆円、交通の寸断などによる間接的被害を含めると三七兆円と発表した。ただし、国債・株の暴落や地価下落、心理的な消費の低迷、保険料率の上昇などを加えると五六兆円という試算もある。
 日本の国家予算は約八〇兆円だが、税収はその半分の四〇兆円程に過ぎない。残りの大半は国債発行、つまり借金頼みで、借金総額は国と自治体合わせて七〇〇兆円以上ある。先進国がおおむね予算の九割前後を税収に依存し、身の丈に合った財政運営をしているのに較べると、とんでもない借金地獄大国なのである。良識ある予算組みなら、せいぜい五〇兆円が限界であろう。つまり東海地震の被害は、日本の国力に相応な年間国家予算に匹敵するのだ。
 大変な被害だが、実はこれで終らない可能性が高い。先の被害想定は原子力発電所の被害とその風評被害、東海地震と連動の危険が指摘されている東南海・南海地震・富士火山噴火の影響が除外されているからである。過去の東海地震に東南海地震が合併しなかった例はなく、東南海地震に南海地震が連動しなかった例もない。また、多くの火山学者が、次の東海地震で富士火山が活動再開すると考えている。


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いしぐろ・あきら
石黒 耀

1954年、広島県生まれ。宮崎医科大学卒。子供の頃から火山、とくに霧島火山帯の巨大カルデラ火山群に興味を抱いていた。大阪で勤務医を務めるが、阪神淡路大震災後の「地震は怖いけど、噴火はそうでもないよね」という妻の一言をきっかけに、本業のかたわら大火山噴火シミュレーション小説『死都日本』を執筆、第26回メフィスト賞を受賞した。火山学の専門家も絶賛する正確な知識と迫真の描写で注目を集めている。東海地震を題材にした近刊を準備中。



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