子どもたちにとって、携帯電話やパソコンからのメール、インターネットは、安価で自由なコミュニケーションの道具として浸透してきたが、それにともなって様々な問題も露呈している。いわゆる「青少年のネット問題」である。 ひと口に「青少年のネット問題」といっても、大きく分けて、 (1)ID、パスワード、個人情報が盗まれる「個人情報漏洩」 (2)極端に性欲、自殺、犯罪を誘発させる「有害コンテンツ」 (3)超高額報酬をうたった偽ビジネスを斡旋する「ネット詐欺」 (4)淫行や事件のきっかけとなる「出会い系サイト」 (5)いじめを助長させる「学校裏サイト」 の五つがある。 このなかの(1)から(4)に関しては、フィルタリングサービスの利用と子どもへのネット利用ガイドラインの提供で、問題の大半を防ぐことができる。しかし「学校裏サイト」に関しては、対応が難しい。 その「学校裏サイト」で、私の娘(当時高校三年生)が実名で誹謗中傷を受けていることを知ったのは、二〇〇七年(平成一九年)初夏のことだった。最初は「たかが悪口ぐらい」と、さほど気にしていなかったが、実際にその書き込みを見て愕然とした。 「A(私の娘の実名)ってBくん(男子生徒の実名)に色目つかってない? うざいよね。Bも無理に付き合わずにAを無視すればいいのに」 「Aの顔ってヒドクない? 臭そう。誰か教えてあげなよ」 「話すとブスがうつりそうだから、いやだ。目が変だよね。鼻も」 「Aって、いろんなところで、みんなの悪口を言ってるらしいよ」 多くの誹謗中傷コメントが、断続的に複数の者によって書かれていたのである。 娘の話では、複数の者が誹謗中傷コメントを書いているように見えるが、実際には学校裏サイトの匿名性を利用して、一人の生徒が二役、三役して悪口を書くことで“みんな言っている”という状況をつくりだしているのだそうだ。 私の娘は学校裏サイトを使っていなかったが、「おまえ、昨日ひどいこと書かれてたぜ」「みんなの悪口を言ってるって書いてあったけど、本当なの?」などと言われ、噂として本人に伝わってきたのである。
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