児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下、「児童ポルノ法」)の改正が議論されている。 改正の争点は、単純所持規制の導入とマンガ、アニメ、ゲーム等、実在の児童を被写体としない創作物について、将来における規制を見越した調査研究規定の導入の二点である。単純所持規制の是非、創作物規制の是非が問われていると言ってもいいであろう。自民党、公明党による法案は単純所持規制(「自己の性的好奇心を満たす目的」という限定付きではあるが)、創作物規制に関する調査研究規定導入のいずれについても「是」としている。 自民党、公明党の法案に対する批判は多い。とくに、単純所持規制については、二〇〇四年(平成一六年)の改正議論の際にも、「捜査当局による濫用」が懸念され、見送られてきた経緯がある。 「捜査当局による濫用」への懸念は我が国だけのものではない。「子どもの売買、子ども売買春および子どもポルノグラフィーに関する子どもの権利条約の選択議定書」「サイバー犯罪条約」も単純所持の犯罪化を義務づけておらず、むしろ、弊害に対する懸念が国際的に共有されていると言える。 日常用語とは異なり、児童ポルノ法における「児童」概念は、一八歳未満の者を指す。また、「児童ポルノ」は、一般的にイメージされるように児童が性交等をしているもの、児童が性的虐待を受けているものに限定されない。「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」(いわゆる三号ポルノ)をも含んでおり、ヌード、セミヌードを含む写真等一切、家族のアルバムに入っている写真、合法的に販売されていたヌード写真集、雑誌のグラビア等についても規制の対象となりうる。
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