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動き
「第43回日本児童青年精神医学会総会」印象記
西村 良二
※1
※1 福岡大学医学部精神医学講座
第43回日本児童青年精神医学会総会が2002年11月27日(水)から29日(金)の会期で,東京都の都市センターホテルで開催された。会長は東京都立梅ヶ丘病院の佐藤泰三院長である。「児童青年精神科医療の新たな展開を目指して」のスローガンのもと,委員会セミナー2,症例検討6,特別講演1,記念講演1,会長講演1,シンポジウム1,ランチョンセミナー2,一般演題142の発表がなされた。 一般演題の発表の内容は多岐にわたる児童青年の問題であるが,児童虐待,広汎性発達障害,アスペルガー障害,摂食障害,ADHDなどの演題が多く,この領域の問題の深刻さとともに,児童青年精神科医療に携わる関係者の熱心さに深い感銘を受けた。児童虐待に関しては,症例報告,調査研究および文献的考察などさまざまな視点からの発表があった。他の問題もそうではあるが,児童虐待もまた,子どものみならず親の精神医学的評価も取り入れ,多次元的な評価をし,それらをフィードバックしながらの介入が必要であろう。実証的な研究の積み重ねから虐待の予防モデルが構築されることが肝要である。アスペルガー障害や高機能の発達障害では,思春期・青年期に不適応を起こし,抑うつ,被害念慮,自殺企図,自傷,暴力,パニック,タイムスリップ現象といった併発症状が重篤になることがあるが,早い段階での診断と適切な治療・介入の必要性が報告されていた。さらにデイケアやSSTの報告もあったが,統合失調症を対象としたデイケア,SSTとは違い,視覚的手がかりを与えた上で,指示を具体的,断定的にするなどの配慮した方法が論じられた。今後,アスペルガー障害や高機能の発達障害患者に対するデイケアのニーズは増えていく傾向にあると思われ,デイケアにおける治療モデルの確立が待たれるところである。
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