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Top > 特集記事 > 芸能・スポーツ > 2012.11.5
日本のプロ野球を考える大論争 大人はこう考える
大谷翔平クン 君は日ハムに行くべきだよ
■特別扱いしてもらえない ■メジャーは「実戦重視」の育成
■言葉の壁は想像以上に高い ■宣言撤回しても誰も責めない
いま、才能に恵まれた一人の少年の「決断」に注目が集まっている。彼には夢がある。しかし道は一つではない。いずれを選ぶかによってその人生は、大きく変わる。大人たちは本気で心配している。

特別扱いしてもらえない
「それでも僕の気持ちは変わりません」

 先月25日のドラフト会議直後、事前に会見まで開き、「メジャー挑戦」を宣言していた大谷翔平(花巻東)は、日本ハムの「強行1位指名」に対し、そんな言葉で抵抗感を示した。

「いまは心配して、困惑している状態です」

 だが大谷の父・徹氏は、本誌の取材に対しこう答える。父は息子を案じ、何度も、

「メジャー挑戦は、日本で力をつけてからでも遅くないのではないか」

 と語りかけたという。

 メジャーか日本ハムか――恵まれた体躯(193cm)と160kgの豪速球を誇る「金の卵」の将来に対して、家族会議にとどまらず、球界関係者からも様々な意見が飛び交っている。

 日米を比較する時、真っ先に「違い」として挙げられるのが、その育成法だ。

「大谷君は、日本ハムに行くべきだと思いますよ」

 そう断言するのは、メジャーリーグ、アトランタ・ブレーブスの国際スカウトを務める大屋博行氏だ。理由は、「ドラフト1位の選手だからだ」という。

「日本のドラフト1位の選手は、それだけで優先的に育成・起用してもらえる。それがメジャーでは、全員が一旦『平等』の扱いになる。要はドラ1の特権がない。もったいないですよ」(大屋氏)

 メジャーの育成に、「特例」はほとんど存在しない。

 大谷がこのままアメリカに渡った場合、ケガを最も恐れるメジャーでは、国籍に関係なく、高卒選手は、マイナーリーグのさらに下のセクションである、ルーキーリーグからのスタートが通例だ。

 大屋氏が解説する。

「ルーキーリーグには、各チームで約60人の選手がいて、その上にショートシーズンというリーグがあり、マイナーは1A、2A、3A、そしてメジャーと上がっていく。すべてを合わせると、各チームに160〜200人も選手がいます」

 では実際、日本のプロ野球を経ずにアメリカに渡った選手たちは、どんな経験をしているのか。

 大谷のような「ドラフト1位確実の高卒選手」に限れば前例は皆無だが、日本のプロを経由せず海を渡った先輩は意外に多い。'07年にブレーブスとマイナー契約を結んだ関口将平氏(23歳・丸亀城西高卒)もその一人だ。

 関口氏は現在、関西独立リーグの紀州レンジャーズに所属し、日本でのドラフト指名を目指している。

「高3の頃、日本の球団からは育成枠の話しかなくて。そんな中、ブレーブスから『君みたいな大きな選手は、メジャーのほうが向いている』と言われたんです」

 関口氏も利き腕こそ違え、大谷同様2m近い体躯を誇る速球派の投手だった。

 彼の「メジャー体験」は驚きに満ちている。関口氏はまず、自分のプレーする場所がアメリカではないと知る。

「所属はルーキーリーグではあるのですが、チームの方針で、1年目は、初めの2ヵ月くらいオーストラリアの(MLB主催の)教育リーグに派遣されたんです。その後、日本に戻されて1ヵ月過ごすと、6月からはドミニカに球団が保有する野球アカデミーに行かされました。2年目も2ヵ月間、オーストラリアに行っただけ。大半は日本で過ごしたんです」

 さらに戸惑ったのが、徹底的に管理されるトレーニング量である。練習では1日30球までしか投げさせてもらえず、練習量が足りないと考え自主的に走りこみを行うと、コーチに止められることもあった。

「体を追い込んで調整するタイプの選手には、辛いかもしれない」(関口氏)











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