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Top > 特集記事 > 社会 > 2012.7.30
大津いじめ自殺事件とネット社会の病理 ムカつく相手はネットで写真公開、校門前で威嚇
いじめたヤツをいじめる、この国よ
■被害者祖母の声を聞こう ■電凸ってどういう意味?
■「鬼女」と呼ばれる集団 ■善か悪か、敵か味方か
「加害者の人権をなぜ守るのか」事件のたびに巻き起こる議論だ。だが、いまネットに氾濫している書き込みは議論ですらない。「加害者は死んでいい」と主張して、反対者にも総攻撃を加えるのだ。

被害者祖母の声を聞こう
 滋賀県大津市で起きた中学2年生いじめ自殺事件。被害者の少年(13歳)の祖父母は市内で銭湯を営んでいる。いじめの加害者に恐喝されたカネの大半は、孫かわいさで祖父母が渡したものだと言われる。

 地域に唯一残された銭湯の番台に座る祖母は、言葉少なにこう語った。

「近所の人は大変やなって心配してくれるけど、こうやって商売しないと生活でけへんから、仕方なしや。(マスコミには)なんにも言うなと言われてる。

 先生がな……、知っててな……、なんであんなかわいそうなことに……(肩を落として涙ぐむ)」

 少年は自宅マンションの最上階(14階)から飛び降りて自殺したと見られる。同じマンションに住む女性住民が言う。

「あの朝、高校生の子供を見送って、仕事に出ようと家に鍵をかけたところで、ドスッ! って大きな音が聞こえた。てっきり国道で事故でもあったんやと思って下に降りたら、広場にあの子が仰向けに倒れてた。目は開いたままでね……。隣にはあの子の双子のお姉ちゃんが、涙をポロポロこぼしながらしゃがんでた。

 小さい頃からふざけるのが好きで、やんちゃでね。『なにしてんの!』って頭叩いて叱ったこともあります。あんな明るい、面白い子が、なんであんなことになったんか……」

 これらはいずれも、本誌記者が現場を歩き、直接聞いた肉声である。

 祖母は最愛の孫を失い、憔悴しきった様子で番台に座っていた。交替で銭湯に現れた祖父にも声をかけたが返事はなかった。つらいけれども、商売しないと生活ができない。切実さが伝わってくる姿だった。

 一方で、この国にはいまこんな言葉が溢れている。

〈クズをはびこらせるな。奴らは同じ人間じゃない〉

〈屑の親の遺伝子から屑の子ができたんだな〉

〈加害者家族まじで追い込めや〉

〈犯罪者庇う国ってなんだよ。人の人権奪っといて自分の人権守ろうなんざ甘いんだよ〉

〈親も死ねばいいのに〉

 いずれもインターネットの掲示板に躍っている。発信者はむろん匿名で、いじめの加害少年とその親に罵声を浴びせている。

 そしてネット上には、3人の加害少年の実名と顔写真、さらに親の実名と顔写真がまとめてアップされている。ご丁寧に、加害者の父親の自宅から勤務先までの通勤経路を書き込んだ地図までが掲載されている。











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