凸版印刷のBitway、モバイルに展開開始
新コンテンツ配信事業「モバイル Bitway(仮称)」を11月スタート
PC・店舗・ワイヤレスを連動した独自事業モデルを構築
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:足立 直樹)は、本年11月、次世代モバイル環境に向け、有料コンテンツ配信の新事業「モバイル Bitway(仮称)」を開始します。現Bitway(※1)はPCユーザを対象に有料コンテンツの配信を行っていましたが、新事業ではモバイルユーザを対象とし、拡大を図ります。
「モバイル Bitway(仮称)」は、動画・音声等の大容量データの伝送が可能なブロードバンドモバイル時代に照準を合わせた、モバイル向け「コンテンツ・アグリゲーション・ビジネス」(※2)です。動画・JAVA技術に対応した次世代携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム端末、カーナビ等の端末を対象に、コンテンツ配信事業を展開していきます。
同時に、専門部署「ブロードバンド・モバイルプロジェクト(仮称)」を設立しました。本部署においては、サーバ運用から大手ISPへの販売代行まで、総合的に流通サービスを提供するBitway独自のビジネスモデルをさらに強化します。コンテンツの企画開発、コンテンツ変換・課金システムの提供、著作権保護、ユーザからのサポート業務など、当社が従来Eビジネス分野で培った様々な技術・サービスを融合し、当社独自の「コンテンツ・アグリゲーション・ビジネス」を展開していきます。
また、順次、現Bitwayの大手ISP販路や、店舗を活用したコンテンツ流通の仕組みなどと連動を図り、同一のコンテンツを、モバイル通信、PC、店舗端末といった複数のチャネルを通じて配信する当社独自の事業モデル「クロスチャネル・コンテンツ・アグリゲーション・サービス」を構築します。コンテンツホルダーに、より強力な販売ネットワークを提供していきます。
「モバイル Bitway(仮称)」の立ち上げに関して、当社常務取締役(Eビジネス推進本部長兼マルチメディア事業部長)の東田 収司は、次のように語っています。「当社は99年から推進しているBitway事業を通じて、有料コンテンツ配信という新しい市場・ビジネスを開拓するとともに、様々な企業との協業機会を創出してきた。今後、モバイル Bitwayの立ち上げが起爆剤となり、様々なBitway衛星サービス群が生み出され、有料コンテンツ事業が当社の新事業領域である、パーソナルサービス事業の柱として育つよう期待している。特にモバイル分野におけるコンテンツビジネスは、非常に大きな潜在マーケットが予想され、有力プレイヤーがひしめき合うことになるだろう。それだけに一歩先を見据え、先鋭的に取り組んでいく価値は大きい。さらに、これを機に、当社が従来推進してきた、印刷事業、ソリューション事業、アーカイブ事業等と、Bitway 事業との有機的な連動を図り、コンテンツを武器にした、ユニークかつ競争力のある当社ならではのEビジネス事業形成を目指していく。」
<ねらい>
・PDA、次世代携帯電話、カーナビ、携帯ゲーム端末等のモバイル端末に向けたコンテンツ配信ビジネスの本格的事業化を目指します。
・モバイル分野の有料コンテンツビジネスにおける、リーディングサービスを目指します。
・モバイル分野での様々な要素技術開発、ビジネスモデル開発を行い、モバイルビジネスのノウハウ蓄積を目指します。
・PC向け有料コンテンツ事業と合わせ、当社有料コンテンツビジネスの更なる売上拡大を目指します。
・PDA端末、カーナビ等、有料コンテンツビジネスが未開拓分野については、その端末特性に適した新たなコンテンツ流通サービスを開発し、新たな有料コンテンツ流通市場を開拓するとともに、コンテンツ市場全体の拡大と活性化に貢献します。
<「ブロードバンド・モバイルプロジェクト(仮称)」の特徴>
・本部署は、「モバイルリッチコンテンツ・ファクトリー&ディストリビューション」をコンセプトに、「コンテンツ・ファクトリー」「ディストリビューションセンター」の2つにより構成されています。
・「コンテンツ・ファクトリー」では独自コンテンツの企画開発から、受託制作、エンコーディング等を担当します。
・「ディストリビューションチーム」ではコンテンツ変換、配信、課金システム、著作権保護、ユーザサポート業務等の構築・運営を担当します。
・今後、様々なパートナーとサービスを整備し、出版社を中心としたコンテンツホルダーにとって、“より使い勝手が良く、かつ良く売れる”コンテンツアグリゲーションサービスを目指します。
●展開予定のサービス事例
(※各サービスの詳細については、追って発表を行います。)
1)コンテンツファクトリー
・独自コンテンツの企画開発
・コンテンツ受託制作
・コンテンツコンバージョンサービス
・コンテンツエンコードサービス
2)ディストリビューションセンター
・著作権保護システムの開発
・入稿管理システム
・売上管理システム
・独自のコンテンツオーサリングソフトの開発と提供
・独自のコンテンツ変換ソフト開発と提供
・独自のクレジットカード課金システムの開発と提供
・GPS連動コンテンツ配信システム
・ユーザサポートサービスなど
3)その他
・有力チャネル網の提供など
<事業目標>
・2004年度までに、コンテンツホルダー100社、コンテンツ数1万の獲得を目指します。
・モバイルBitwayの有料コンテンツビジネス単体で、2004年度までに20億円の売上獲得を目指します。
・当事業推進における有力企業との協業開発により、印刷事業等の関連受注拡大を目指します。
<今後の展開>
・当事業によって、独自に開発された技術ノウハウを積極的に活用し、新たなサービス開発を行い、B to B向けソリューション事業との連動を推進していきます。
・ブロードバンド市場に特化したシステム・インテグレーションを行う「メディア・コマース・ソリューションズ株式会社」(※3)や、地図情報サービス「マピオン」(※4)とも連動し、凸版の総合力を活かしたサービスを開発していきます。
・電子ペーパー事業、携帯バーコード事業等、当社新事業との連動も視野に入れた、先鋭的なモバイルコンテンツ開発に積極的に取り組んでいきます。
以上
※1 Bitwayのサービス詳細(URL)https://www.bitway.ne.jp/
凸版印刷が99年より提供している、PCユーザを対象にした有料コンテンツ流通サービスです。凸版印刷が配信サーバ、著作権保護システム等コンテンツ流通に必要なサービスを整備し、国内大手ISP・ECサイト12社(合計1400万人会員)を通じて、有料コンテンツを流通させる独自の事業モデルを構築しています。コンテンツホルダーは、大多数のPCユーザに対してコンテンツを流通する際、販路、サービスを効率的に得ることができます。2001年8月段階で、累計販売実績240万人、月間販売実績18万人、コンテンツホルダー約70社、コンテンツタイトル1万タイトルを有する、国内最大級のコンテンツ流通サービスです。
※2 「コンテンツ・アグリゲーション・ビジネス」
様々なコンテンツホルダーからのコンテンツを束ね、整理し、クライアントに提供するビジネス。コンテンツホルダーには安全でかつ確実な集金システムを提供し、クライアントに対しては、優良なコンテンツを提供する役割を果たします。対象となるコンテンツは、ニュースなどのオンラインコンテンツから、書籍、音楽、ゲームなどのパッケージコンテンツまで多岐にわたります。米国では既にポータルサイトやニュースサイトへのコンテンツ提供において注目を集めています。
※3「メディア・コマース・ソリューションズ株式会社」
日本SGI(東京・渋谷)、NEC、凸版印刷が共同で本年7月に設立した新会社。ブロードバンドのインターネット回線を使ったビジネスを支援します。映像配信や電子商取引を計画する事業者から、システム構築や機器の整備、課金業務などを一括して請け負います。
※4「MAPION」(URL)http://www.mapion.co.jp/
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