2つのグラフを同時に見ると、中国のGDP実質成長率が上昇するにつれ、日米貿易総額がやや下降を示すことがわかる。中国のGDP実質成長率は89年の天安門事件でいっきに下降したものの、91年の第8次5カ年計画と、92年にトウ小平が発した改革加速の大号令で対中投資が拡大。その後、政府が過熱を抑制したため下降を示すが、2000年以降、いまのところ7%以上の高成長を維持している。成長する中国ではGDP上昇につれて所得も増え、いまや「世界の工場」から「世界の市場」へとその魅力を高めている。とくに日本製品は中国の中流階級以上で人気が高く、04年現在、日本の対中貿易額は、香港を含めるとすでに対米貿易額を抜いた。いっぽうアメリカは90年代以降、繊維製品や日本など外資企業が中国で生産したハイテク機器などの輸入が増えて対中赤字が拡大、2000年にはついに対日赤字を超え、国別で最大となった。
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日米貿易総額
出典:「外国貿易概況」
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中国のGDP実質成長率
出典:中国国家統計局 |
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