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Top > 特集記事 > 経済 > 2013.3.11
ぶちぬき大特集
アベクロでGO!【Part2】
■ヘッジファンドはこんな株を買っていた ■玄人のみぞ知る銘柄
■中国・韓国 経済が大失速 アベクロ相場でニッポン圧勝 ■「言いがかり」が始まった
■中国が苦しむ時代に入った ■日本が心配する必要はない
 金融コンサルティング業者幹部が言う。

「すごい銘柄ばかりが並んでいますね。目下のアベクロ相場ではトヨタなどの大型株に投資するのが定石ですが、強気の投資を謳うファンドは違って、知る人ぞ知る中小型株中心に投資している。プロ中のプロがどう儲けようとしているのかがわかる一級の資料です」
アベクロ相場でかーるく1000億円稼いだ 実名一覧表付き
ヘッジファンドはこんな株を買っていた

玄人のみぞ知る銘柄
 企業名がズラリと並ぶ一覧表。これは複数の外資系ファンドの投資先をまとめた内部資料である。

 ヘッジファンドなどの機関投資家は、巨額マネーを投資先につぎ込み、大儲けを狙うマーケットの猛者もさ。目下のアベクロ相場でも「投資の神」ジョージ・ソロスが、1000億円近い儲けを稼ぎ出したという。ファンド勢がどんな投資をしているかは決して表に出ることはないが、今回、本誌が入手した資料には、その投資先が克明に記されているのだ(詳細は右表)。

 この資料を金融の専門家たちに分析してもらった。岡三証券日本株式戦略グループ長の石黒英之氏がまず注目したのは、セブン銀行松屋ジャックスクレディセゾンである。

「アベノミクスによってこれから盛り上がる『消費銘柄』を狙っていることがわかります。特に現在の株高で、過去に投資していた中高年は懐が潤ってきており、今後はシニア層の高額消費が期待される。その点、セブン銀行は地方にもATM網を整備しており、シニア層に重宝される。高額消費となればクレジットカードによる分割払いも増えるのでジャックス、クレディセゾンは期待大。百貨店は高額消費で売上高増、中でも松屋は銀座に土地を持っておりインフレ局面でその値上がりもダブルで享受できるのが特徴です」

 一般的に消費銘柄として挙げられるのは高級レストラン、宝飾・貴金属関連銘柄だが、本当のプロは一歩先を読んだ投資をしているということ。ほかにも介護とカラオケ、飲食を事業の3本柱に据えるウチヤマHDイオンクレジットサービスなどはまさに玄人のみぞ知る消費銘柄である。

「不動産銘柄でも大手3社ではなく、トーセイ東急不動産といった首都圏に強い企業を選んでいる。不動産は都心から盛り上がるので、こうした企業からまず業績の拡大が見込めると読んでいるのでしょう」(大手証券会社幹部)

 続けて石黒氏が着目したのが、新明和工業シップヘルスケアHDクボタトプコンだ。

「新明和とシップHDはともに、アベノミクスの財政出動の恩恵を受ける銘柄。ダンプトラックや飛行艇を作る新明和は復興需要や公共事業の需要を取り込める上、防衛費拡大が収益アップにつながる可能性大。シップHDは医療・病院の総合コンサルティング企業。いま'50〜'70年代に作られた病院が日本の大型病院の過半を占める中で、耐震・建て替え需要が盛り上がっており、同社が特需を迎える可能性は高い」

 クボタ、トプコンの共通点は何か。石黒氏が続ける。

「TPP銘柄です。TPPに参加すれば、国内で農機の需要増加が見込まれます。また海外でも、クボタの農機は土壌が固い中国等でも重宝される。日本の農業が大型集約化されれば農地のIT化も進み、農業用GPSなどに強いトプコンは大化けもありえます」

 MCPアセット・マネジメント証券チーフ・ストラテジストの井上哲男氏は、「ファンド勢は業績相場を見越して仕込みを始めている」と読む。

「現在の安倍相場はまだ金融相場ですが、これから業績相場に移っていく。そうなれば、株高が期待できるのは『成長する内需株』です。このほどダウ平均が過去最高値を更新した米国も業績相場に入っており、相場を牽引しているのはホーム・デポ、ウォルマートなどの内需銘柄。ファンド勢がラーメンチェーンのハイデイ日高、住宅関連の桧家HD三栄建築設計に投資しているのは、この流れを先取りしている証拠です」

 業績相場で期待できるのはこれだけではない。

「『成長する内需株』は主に情報通信、小売り、不動産などの業種ですが、ファンド勢が100円ショップのワッツセリア、スマホに欠かせない超硬小径切削工具の日進工具などの銘柄まで組み入れているのはさすがです。グリーディー・エヌ・エーは成長性というより利益率の高さを評価しているのでしょう。売り上げ増がそのまま利益に跳ね返る企業です」(井上氏)

 携帯ゲーム・コンテンツ関連ではエイチームデジタルハーツも入っており、下火懸念がいわれるこの業界にファンド勢はまだ成長余力を見ていることがわかる。続けて見てみよう。

「アベクロ相場では円安銘柄などテーマ銘柄に目が行きがちで、本当に強い実力企業が見落とされやすい。その点、全世界で版権ビジネスが絶好調のサンリオ、東欧などでエアコンを売る富士通ゼネラル、アジア圏での拡大が見込まれるカルビー、世界トップシェア製品を20品目以上持つ日東電工、育児用品が中国で絶好調のピジョン、歯科用回転機器分野で世界シェア1位のナカニシにまで投資しているのに凄みを感じます」

 そう語る前出・大手証券幹部は、続けてこんな“深読み”を披露してくれた。

琉球銀行が入っているのは、沖縄に新・特区構想が持ち上がるなどの内部情報があるのか。ダイコク電機はパチンコ銘柄。消費銘柄として見ているのか。あるいは、カジノ特区構想でも掴んでいるのか」

 どう読むかは百人百色。是非この一覧をじっと眺めて、自分なりの儲けのヒントを見つけて頂きたい。














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