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Top > 特集記事 > 社会 > 2013.3.18
週現スペシャル 医者には患者の死が見えている でも本当のことは言いません
医者はこんなときにウソつくのです
■「あと3ヵ月です」この言葉にもウソがある ■あと何日生きられるのか
■本当のステージは言えない ■病院に「殺されない」ために知っておくべきこと
■再発の可能性を言わない ■いい加減な余命を告げる
日本人の1年間の平均通院回数は、13.8回。これは世界のどの国よりも圧倒的に多く、日本人がいかに医者を信頼しているかという証だろう。だが、彼らもウソをつく。医者の言葉の真意を探った。
第1部
「あと3ヵ月です」この言葉にもウソがある

 今、日本人の8割以上が病院で死を迎える。家族に看取られることも叶わず、最後に側にいたのは医師と看護師といったケースも決して少なくない。だからこそ医師の言葉は重く、患者や家族は、医師の一言に一喜一憂する。だが、医師の言葉はすべて“真実”なのだろうか――。

 がんの告知や余命宣告が当たり前になって約20年が経過した。しかし、きちんとした病状や余命が伝えられているという確証は、どこにもない。“実際のところ”を、慶應義塾大学病院放射線治療科の近藤誠医師が語る。

「実は、医者がウソを言うのは、余命に関してが一番多いんです。初対面の医師が、いきなり『あなたは余命3ヵ月です』と言ってくるケースはよくある。特に若い医師に多いようです。だいたい短めに言って脅し、不安にさせ、救いの手を差し伸べる。長めに言うと、患者はセカンドオピニオンを求めたり、他の治療法はないかと考えてしまう。そうした心の余裕を患者に与えないために、あえて短めに言うんです。昔は家族を脅すのに『余命6ヵ月』がよく使われたのですが、がん告知が当たり前になった今は『余命3ヵ月』に短縮された。そう宣告された多くの患者の話を、私は直に聞いています」

 この「余命3ヵ月」には、もうひとつの理由がある。

「医療裁判に対する怯えはがんに携わる医師のほとんどが抱いていると思います。余命に関しても、1年と言ったのに半年で亡くなったなどとなったら、医師の責任を追及されかねない。だから余命は短めに告げておくんです」(都内の総合病院外科医)

 これらはいずれも医師が病状を理解した上で、あえてついているウソだ。だが、病状がわかっていないままつく、許されないウソもある。

「開業医には、患者を抱え込みたいという意識が強い。だから、自分の専門外で的確に診断がつかない場合でも、患者には『ちょっと様子を見ましょう』という言い方をすることがあります。『様子を見ましょう』の真意は、『もっと病状が進んで、症状が出るまで待ちましょう』ということです。そして最後に、『様子を見ている間に自然に治ることもあります。悪くなったらまた来てください』と言い含める。そうすると、患者は医者に言われた通り様子を見て、具合が悪くなったらまた来院してくれますからね」(都内の内科開業医)

 前出の近藤医師によれば、このように医者の本分を忘れ、命よりもビジネス優先に走ってしまう者も少なくないという。では、信用できない医師を見抜くための方法はないのだろうか。近藤医師に、4つの注目すべきポイントを挙げてもらった。

〇患者の方ではなく、パソコンの画面を見て話す

 患者・病気と真っ向から向き合う気持ちがない。また、ウソをつくと目が泳ぐため、患者と目を合わせない可能性も。

〇他の病院・診療科へのセカンドオピニオンを嫌がる。

 自分の診断の間違いを指摘され、患者が別の医者へ流れてしまうことを恐れている。

〇症状や余命を断定して話す

 がんの進行スピードは千差万別。にもかかわらず断定して言うのは、信用できない証拠。

〇詳しい説明を求めると嫌な顔をする、怒る

 自分の診察力に自信のない可能性大。











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