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Top > 特集記事 > 政治 > 2013.3.25
ぶちぬき大特集 全日本人必読 もはや避けて通れない
中国と日本「宿命の対決」【Part1】
■世界の声は「ウソつきはニッポン」「中国は悪くない」 ■アメリカは中国の味方?
■「でっち上げ」はどっちだ ■ロシアにも手を回していた
■安倍晋三と習近平どっちが上か ■まだ会ったことのない二人
■地獄を見ると強くなるのか  
中国で習近平政権が本格始動した。これは「尖閣紛争第2ラウンド」の始まりだ。習近平が率いる中国は、圧倒的なパワーで日本を攻めようとしている。この危機は、もはや避けて通ることはできない。
第1部 中国の情報操作にしてやられた 新聞・テレビが報じない
世界の声は「ウソつきはニッポン」「中国は悪くない」

アメリカは中国の味方?
「日本人には信じがたいことですが、こちらワシントンでは、特に国務省や財務省の連中は、例の中国軍によるレーダー照射事件に関して、日本より中国の主張を信用しているのです」

 そう語るのは、ワシントンの日本大使館関係者だ。

 なぜそのようなことになるのか。

「中国は外交上手なのです。『ウソも百回つけば真になる』と言いますが、アメリカの首脳とうまくパイプを作り、硬軟自在で取り込んでいくのです」

 実際、習近平は国家主席に選出された中国時間の3月14日晩、オバマ大統領から祝福の電話を受けた。その際、次のように弁明したのだ。

「私は太平洋の海を、文字通り太平の洋とし、協力の洋とすべく、昨年秋より努力しています」

 これに対しオバマ大統領も、「中国の努力は評価しています。来月、ケリー国務長官とデンプシー軍統合参謀本部議長を訪中させますから」と答えたという。

習新主席は後述するプーチン大統領、朴槿恵大統領とも電話会談を行ったが、同様に祝電を送った安倍首相のことだけは無視した。

 3月19日には、こうした「日中の差」を象徴する出来事が起こった。

 この日、来日中のアメリカ財務省のコーエン次官が北朝鮮への金融制裁を巡る問題で、日本の財務省や外務省首脳にアメリカの立場を説明した。コーエン次官は慌ただしくミーティングを終えると、韓国、そして“本命”の中国へと向かった。

 同じ3月19日、コーエン次官の上司にあたるルー新財務長官が、一足先に北京を訪れていた。

 人民大会堂で習近平主席と面会したルー財務長官は、満面の笑顔で習主席と握手した。

「私は2月末に財務長官に就任し、初の外遊先として、真っ先に北京へ来ました」

 これに対し、習主席も笑顔で答えた。

「私も国家主席に就任して、まだわずか6日目です。もちろん、今日あなたとが、初めての外国の賓客との会見になります」

 その後、米中の両首脳はまるで旧友ででもあるかのように意気投合した。

 中国の外交関係者が明かす。

「二人は約45分間にわたって会談し、まずはキプロス発の新たなユーロ危機について、中米がどう対処していくか意見交換しました。その流れで為替問題に話題が移り、習主席の方から、『日本が過度に円安ドル高に誘導しているのは問題だ』という発言が出たのです」

 これに対しルー財務長官は、「過度な円安ドル高は、オバマ政権の進める『輸出倍増政策』にも影響してくるので注視している」と答えたという。

 習近平主席は最後にこう結んだ。

「ケリー新国務長官にも来月、北京での再会を楽しみにしていますと伝えてください」

 ルー財務長官は、習主席との会談を終えると、アメリカ大使館近くの庶民的な餃子屋の前で車を停め、秘書ら4人と店へ入った。そして「にわか特訓中」という中国語で注文し、餃子を箸でつまんでパクつき、109元を支払った。この模様を「追っかけ」の中国メディアが、「新たな中米友好の象徴」と、大々的に放映したのだった。

 前出のワシントンの日本大使館関係者が語る。

「2月に国務長官に就任したケリーは、『ワシントン政界の親中派のドン』で、4月の訪中を心待ちにしています。ルー財務長官も、日本には部下を行かせておいて、中国ではしゃぎすぎですよ」

 在米ジャーナリストの飯塚真紀子氏も続ける。

「ケリー国務長官は最近も次のように発言して親中派ぶりを見せつけました。

『アメリカは中国を必要としているし、中国もわれわれを必要としている。核の不拡散問題から気候変動問題まで、われわれは一国では解決できない。米中は密接に結びついており、それは未来においても同様だ』」

 ワシントンへは、2月下旬に安倍首相が訪問し、オバマ大統領と日米首脳会談を開いたばかりだ。だが、日本で安倍首相が吹聴しているのとは裏腹に、低調な会談だったという。前出の日本大使館関係者がため息混じりに告白する。

「安倍首相が訪米したちょうど1年前に、当時副主席だった習近平が訪米した際には、オバマ大統領やバイデン副大統領を始め、ワシントンを挙げての大歓迎でした。バイデン副大統領は、習副主席を空港に出迎え、何と4泊5日の全行程に同行したのです。

 だが安倍首相の時はワシントンの空港に要人の出迎えさえなかった。日米首脳会談は、オバマ大統領から言えば、日本のTPP参加を認めさせ、自動車・保険分野で日本の市場開放を認めさせるための“実務会談”にすぎなかったのです」

 前出の飯塚氏も、NYタイムズの記事を見て驚いたという。

「日米首脳会談の記事は1面や2面ではなく、『アジア太平洋』という“地方コーナー”に載っていました。しかも、『アベはオバマが大統領になってから5人目の首相で、首相の頻繁な交代は日本の政治的経済的不安定さを反映している』と指摘されていたのです」














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