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Top > 特集記事 > 社会 > 2013.4.22
週現スペシャル ここまで遺伝するとは! ダメな親からはダメな子が生まれる?
大研究 遺伝するもの、しないもの
■一覧表でまるわかり 遺伝する才能、しない才能、微妙なもの ■「努力する才能」も遺伝する
■高木豊とその子どもたち ■これが遺伝する病気です
■本当は遺伝するあの病気 ■「親の才能」――何が子どもに受け継がれるのか
■父と母の掛け合わせ ■決め手は育ちの良さなのか
この世に生まれるということは、一種の賭けだ。容姿や頭脳、病気に才能……いまさら、どうにもできない? でもやっぱり気になる。最新研究と知られざるエピソード、総力取材で100の疑問に答えよう。
第1部 「長生きする人、しない人」「頭のいい人、悪い人」「足の速い人、遅い人」「意地悪な人、優しい人」ほか
一覧表でまるわかり 遺伝する才能、しない才能、微妙なもの

 人間の体を形作る、約60兆個の細胞。その一つ一つの中心に、小さく折り畳まれ収まっているのが、われわれの「設計図」ともいうべき遺伝子だ。

「遺伝は、人間のあらゆる部分に関わっています。もちろん環境次第でその現れ方には個人差が生じますが、体の特徴や病気だけでなく、心の様々な働きも、遺伝によって左右されるのです」

 こう語るのは、慶應義塾大学文学部教授で、遺伝と環境の関係を専門とする安藤寿康じゅこう氏である。近年、安藤氏の言葉を裏付けるような、驚くべき研究成果が相次いで発表されている。

 2010年に米国ニューヨーク州立大学で行われた研究では、ある特定の型の遺伝子を持つ人に、不倫、そして「一夜限りの恋」の経験が多いという結果が出た。実は、この遺伝子は、興奮や快感をもたらす脳内物質「ドーパミン」に関係するもの。遺伝子のせいで、思わず「不倫の快感」を求めてしまう――そんな人も世の中には確かに存在するというのだ。

「『体は遺伝だが、心は遺伝ではない』と考えたがる人は少なくありません。しかし、心も脳の働きの表れである以上、顔つきが親に似るように、親からの遺伝によって影響を受けるのは当然なのです。

 たとえば、知的能力も遺伝の影響が大きい。脳の中で知能に最も関係が深い前頭葉の表面積や厚さ、密度は、約80%は遺伝の影響を受けます。環境に大きく左右される学童期の成績でさえ、遺伝の影響がおよそ50%と最大の要因になっている。どんな子でも勉強さえすれば東大に行けるかというと、残念ながらそう甘くはないということです。

 IQ、つまり分野を問わず頭を使うことの得意・不得意も、およそ60%前後が遺伝の影響を受けると考えられています。しかも、年齢を重ねるほど遺伝の影響は大きくなっていきます」

 幼い頃は神童と呼ばれた人が、大人になるとすっかり普通の人になってしまった、という話は珍しくない。歳を重ねるにつれ、人は親から受け継いだ運命に沿って生きるようになる、ということなのだろう。











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