週現スペシャル 60歳過ぎたら遠慮はいらない
あの素晴らしいセックスをもう一度!【Part1】
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■みんな、ちょっとヘンタイでいいんだよ |
■いろんな楽しみ方がある |
■こんなプレイ、あんなプレイ、楽しんでます |
■清く正しいセックスはない |
■妻が驚く、妻が求める |
■アブノーマルの悦び |
■勃たないから面白い |
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一生の間、欲情することが許された特別な生き物。それが人間である。肉体という容れ物は永遠に若さを保てないが、頭と心は年輪を刻むほどに熟成していく。性愛のネクストステージへようこそ。 |
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第1部 何をいまさら恥ずかしがってるの
みんな、ちょっとヘンタイでいいんだよ
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「以前は歳をとれば自然にこのヘンな妄想から解放されると思っていましたが、そうではありませんでした。恥ずかしながら、還暦を過ぎた今もあの妄想が消えることがないのです。それどころか、リタイアして仕事の責任から解き放たれたせいか、ますます妙な欲望にとらわれるようになった。私は異常なんじゃないかと戸惑うばかりでした」
きまじめな口調でそう話す都内在住の神田英正さん(63歳・仮名)は、化学メーカーの元管理職。40年前に大学を出て就職したその会社を定年まできっちり勤め上げた。
そんな神田さんを悩ましているもの。それは本人の言葉を借りると「あらぬ妄想」である。
女性を苛いじめてみたい――。
「馬鹿馬鹿しいとお思いでしょう。もちろん女房にも、こんな妄想を抱いていることは内緒でした。おカネを払ってそういうプレイをしてくれるお店があることは知っていましたが、行く勇気がなかった。だいたい、この歳になって、そんな欲求を持ち続けていること自体、おかしいと悩んでいたんです」
伏し目がちに神田さんはそう言うのである。
だが、この神田さんが抱いているような倒錯的欲求、ひらたく言えば「ヘンタイ性」は、べつに恥ずべきものではない。程度の差こそあれ多くの人にみられるものであり、そもそも性にノーマルとアブノーマルの線引きをすること自体、ナンセンスだ。
「作家の団鬼六先生が書き始めた当初こそ、SMは相当なヘンタイ扱いをされましたが、今や普通の会話の中にSやMが出てくる時代です。ちょっとしたSMやフェチなんてものは、ヘンタイと呼ぶのもおかしいくらいです。知らないだけで、程度の差こそあれ、みんなやっていると思いますよ」
と話すのは、女流官能小説家の丸茂ジュン氏だ。
中高年になれば、ある程度のヘンタイ性があったほうがより豊かなセックスライフを約束してくれると指摘する専門家は多い。
性にまつわる深い学識をもつフランス文学者で、明治大学国際日本学部教授の鹿島茂氏もその一人だ。
「たとえば、『自分の性欲の原点はどこにあるのか』と己に問いかけていくと、母親に行き着いたりする。そんな人はSMプレイよりも、幼児プレイに興奮する。自分のセックスを問い直すことは、性を楽しむ上で非常に重要なのです」
勘違いしてはいけないのは、大事なのは己の性欲をどう満たすかであり、挿入および射精ではないということだ。
たとえばバイアグラなどの勃起薬を使えば、挿れることはできるかもしれないが、効果は一時的。それは、いわば「若い頃のセックスの劣化版」でしかない。
「だがそれでも性欲は残ります。ならば、60歳を過ぎたらコイトス(性交)のない、一段上のセックスを考えればいいのです。渡辺淳一さんがコイトスのないセックスをテーマにした小説『愛 ふたたび』を書いていますから、参考にするといいでしょう。
ただ、奥さんが嫌がって応じてくれないというケースも多いはず。それは、その人が挿入一点張りのセックスしかしてこなかったことの報いなんですよ。挿入にこだわらない進化したセックスをすれば、奥さんも応じてくれる可能性は高いと思います。挿入だけではなく、そこにいたる過程がどれだけ刺激的で楽しいか。豊かなセックスに目覚めるうえで大切なのはここなのです」(鹿島氏)
その刺激的な楽しさをもたらすうえでヘンタイ性は重要な役割を果たしてくれる。むしろ、60過ぎて目指すべき一段上のセックスには、必要不可欠な要素と言っていい。
したがって、冒頭の神田さんのように自身のなかに潜むヘンタイ性を持て余し、それを苦にする必要はまったくない。自分の性的嗜好を肯定し、パートナーと共有することが、豊かなセックスライフを演出してくれるのだ。
実際、神田さんには意外な形で福音が舞い込んだ。定年になってから3年、介護していた母が亡くなり、夫婦二人きりの生活が戻ったある日のことだった。
「風呂上がりの女房が風通しのいい廊下で涼んでいたんです。そしたら、パジャマの胸元をちょっと開けている姿に何だかムラムラきて、思わず背後から抱きついてしまった。さすがに驚いて一瞬、ビクッと身を固くしましたけど、すぐに妻も唇を重ねてきました」
たまらず廊下で妻のパジャマをはぎとる神田さん。そのとき、視界に飛び込んできたのが、洗濯カゴに入っていたストッキングと、歩行が困難だった母のためにバリアフリー工事で取り付けた手すりだった。
「気がついたら女房の手首をストッキングで縛り、廊下の手すりにくくりつけていました。そしたら妻も『これ……イイ』って。私のアレはここ何十年もないほど大勃起し、妻も今まで聞いたことのないような声でよがっているじゃないですか。終わった後、妻は『二人きりだと、家のどこでどんなセックスをしてもいいのね』と目を輝かせました。今では家のあちこちでソフトSMを楽しんでいます」(神田さん)
神田さん夫婦のケースが教えてくれるのは、女性も非日常を求め、それによって興奮をより高めるということ。その非日常をつくりだすのが、コスプレ、SMごっこ、野外セックスなどの工夫なのだ。
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