芸能・時事・政治ネタ。スクープ満載 男のWebマガジン『週刊現代オンライン』
週刊現代オンライン
Top > 特集記事 > 経済 > 2013.6.3
アベノミクス 大ピンチ! 市場のプロも震える
激論 大暴落 あるのか ないのか いつなのか【Part2】
■アベノミクスは風前の灯なのか ■ヘッジファンドが攻めてきた
■それでも日本は人気が高い ■これから上がる株もある
■大暴落は中国から始まるって本当? ■ケタ違いの不良債権
■中国は大きくなりすぎた  
植木 今回の株価下落の原因として、中国の経済指標や、アメリカの金融引き締めが挙げられていますが、これらは以前から指摘されていました。つまり、他に突発的な理由があった。
第3部 特別対談 真壁昭夫×植木靖男
アベノミクスは風前の灯なのか

ヘッジファンドが攻めてきた
 過去の経験則から言えば、本来株価は遅くとも5月10日頃には天井を打つはずでした。ところが、止まらずに延長戦に入ってしまった。それで下げ幅が非常に大きくなり、その後も激しい乱高下が続いたのです。アベノミクスの火が突風に煽られたかのようでした。

真壁 その状況を作り出したのは投機筋、ヘッジファンドですよね。今年に入り、多くのヘッジファンドがコモディティ(商品先物)で大損を出しました。その埋め合わせのために目をつけたのが、4月に「異次元の緩和を行う」つまり「バブルを作る」と宣言した日本だった。彼らが先物や、ユニクロ(ファーストリテイリング)などの値嵩ねがさ株を大量に買って株価を押し上げたため、5月22日までの一ヵ月で30%という異常な値上がりが起きたとみています。

 その急先鋒が、フランスのある新興金融機関でした。守秘性が高く、コンピュータによる自動取引に強い。

植木 もともとは商品取引中心の金融機関ですよね。ところが商品取引が上手くいかなくなり、今年になってから日経225の先物を買い始めて大当たりした。それで莫大な利益を得ていると聞きます。

真壁 あの暴落の日に大量に売ったのが、この金融機関経由の投資家だったんです。彼らはまだ、全ての持ち株を売り切ったわけではありません。今のようなジェットコースター相場が終わるのは、彼らが持ち株をある程度整理した頃になるでしょう。

植木 過去の株価調整の例を見ると、2006年には半月、2009年には3ヵ月かかっています。

真壁 今回の調整はそれほど長くかからないかもしれません。ヘッジファンドも日本株が上がることはわかっていますし、全てを売るわけではないですから。

 6月はもともと値下がりの時期なんです。なぜかというと、企業に納税資金が必要になるため株が売られやすい。ヘッジファンドは、6月中旬からは再び買ってくるかもしれない。

植木 私は、大きく下げたあとですから、3ヵ月ほど経った9月頃から再び上がるのではないかと思います。

 ひとつ言えるのは、今はアベノミクスの中天井だということ。まだ大天井は残っている。乱高下はあっても、下は1万3000円近辺、上は1万5000円くらいの値幅で行ったり来たりするはずです。

真壁 その通りですね。今はまだ、お金がジャブジャブにあるわけですから。

 しかも、今の為替レートが続くとすると、想定レートを1ドル=90円の円高基準に設定している企業の業績は伸びるはずです。トヨタは来年の業績予想を1兆8000億円としていますが、いまの為替レートは100円程度ですから、3000億円ほど上乗せされるかもしれません。日経225は基本的に輸出企業が主ですから、日経平均株価は上がる公算が高い。














この続きは会員になるとご覧いただけます。
面白コラム満載!会員登録をすると「連載・コラム」はご覧いただけます
TOPページへ

「週刊現代オンライン」は、『週刊現代』より厳選した記事を掲載しております。
会員になると、コンテンツ一覧にある記事をすべてご覧いいただけるほか、過去のバックナンバーもご覧頂けます。

本ホームページに掲載の文章・画像・写真などを無断で複製することは法律で禁じられています。
すべての著作権は株式会社講談社に帰属します。週刊現代・週刊現代Onlineに関するご意見、ご感想は [email protected]
iPad/スマートフォンから閲覧された場合、一部の画像が正しく表示されないことがございますが、掲載記事はすべて閲覧することができます。