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Top > 特集記事 > 風俗 > 2013.6.17
週現スペシャル セックスしたがる女は変ですか?
女性読者のための60歳からのセックス【Part1】
■いつまでも「性の悦び」が欲しいのです ■もう隠すのはやめよう
■「こんなふうに、あんなふうにしてみたい」 ■言葉だけで気持ちよくなれる
■「気持ちいい」と口に出して言ってみた ■大人には大人の武器がある
■どんどん元気になる  
「『死ぬまでセックス』を謳うたうなら、私たちのことも書かなきゃダメでしょ」女性読者の熱い声に応えて取材すると、深遠なる女性の性が見えてきた。
第1部 夫は分かってない
いつまでも「性の悦び」が欲しいのです

「あの……ほんとうに、名前、出ないんですよね?」

 友人に連れられて取材現場に現れた小柄な女性A子さんは、おずおずと訊いた。彼女の年齢は61歳。緩いパーマで軽く波打つ白い髪は、往年のマリリン・モンローをも思わせる。看護師をしていた'70年代半ばに5つ年上の医師と結婚。いまは町の開業医の妻として小さな医院のカルテの整理を手伝う日々だという。

「夫は……まじめすぎるんです。テレビでドラマや映画のベッドシーンを見ても、『昔は僕らもあんなことをしたね』なんて笑っていて……。私は、いまでも、したいのに……」

 赤面しながら抱かれたいと語るAさんの瞳は、恥ずかしさに涙を浮かべた少女のようにうるんでいた。

 60代の女性。70代の女性――。そうした字面じづらだけを見れば、世間の心無い男性たちは「いい年をして」と言うかもしれない。

 だが、もはや現代の60歳以上の女性たちは、かつてイメージされたような「枯れた」存在ではない。A子さんの話はこう続く。

「……私が、患者さんだった64歳の彼と体の関係を持つようになったのは、彼が夫と違って私を枯れた存在ではなく、『女』として見てくれたからでした。

 彼は病院に来るたびに、世間話をするふりをして私に必ず言葉をかけ、熱い視線を送ってくれた。それに私が絵が好きだと知ると、新しい展覧会の情報を集めてきて、観に行こうと誘ってくれたんです。

 私が彼に下心があると分かっていて、一緒に展覧会に行くと決めたとき、ちゃんと夫に相談したんです。そうしたら、『へえ、同好の士がいてよかったじゃないか』なんて、疑いもしないで送り出してくれた。夫は分かってないんです。私をひとりの人間として愛してくれているのはうれしいけど、そうやって女として見てくれないことが切ないんだっていうことが……。

 展覧会のあと、下心のある彼が、ちゃっかり予約していたホテルの部屋に素直について行ったのも、そんな切なさの裏返しだったのかもしれません」

 清楚な女性の外見からは想像もできない性愛願望、そして夫以外の男性との肉体関係――。

 いま、かつてなかったほど多くの女性たちが、年齢を重ねてから、次々と自由な性愛の悦びに目覚め、人生を謳歌し始めている。

 本誌はこれまで、主に男性の立場から、「古い常識にとらわれず、死ぬまでセックスするつもりで生涯現役でいこう」と訴えてきたが、それは女性にも当てはまるのだ。

 冒頭のA子さんはこう語る。

「この年齢になったら、自分のボディラインに自信なんかありません。部屋に入って、『今日は暑かったね』なんて言いながらシャワーを浴びた後、私、彼にこの体を見られて幻滅されたらどうしようと内心気が気じゃなかったんです。

 でも、そんなとき彼がすっと、部屋の電気を暗くして、『ほら、電気を消すと夜景がきれいだろう』って言ったんです。普段の生活で、たまに高層ビルのレストランに食事に行くことはあっても、部屋の電気を消して夜の街を見下ろす機会なんてありません。夢中になって窓の外を見る私を彼は後ろから抱きすくめて、無言のまま、服を一枚一枚、はぎ取っていったんです」

 抵抗することなく身を任せた彼女は、ゆっくりとベッドに横たえられた。

「彼は乳首をやさしく口に含んで、温めるように唾液でうるおしていきました。舌はごくゆっくりと動かすだけ。それがとても気持ちいいのですが、性的な刺激というより、はじめはコリをほぐされるような気持ちよさだったんです。久しぶりの交渉(セックスの意)だったので、本当に体が凝り固まっていたのかもしれません。でも、彼が乳房を大きく掌で揉みあげると、昔のような快感がこみあげてきて、下半身もジュンと熱くなって、『ああ……』とため息が漏れてしまって」

 次々と語られる赤裸々な性の快楽。取材に同席した62歳の女性の友人が思わず「いいなあ」と言うと、すかさず「ダメ、彼は渡さないわよ」とA子さんは断言した。彼女たちの艶やかで生命力に溢れた姿は、まったく年齢を感じさせない。むしろ性愛の悦びを満喫しているからこそ、若さを保っているように見える。

 日本家族計画協会クリニック所長の北村邦夫医師は、60歳を過ぎた女性でも、本来ならばA子さんのように性に前向きでいられるはずなのだと語る。

「それは、ごく自然な人間の体の働きで、ホルモンのバランスの問題なのです。

 人間の体内では、男性でも女性でも、男性ホルモンと女性ホルモンの両方が作られています。このうち、男性ホルモンは、俗に『性欲ホルモン』などと呼ばれるほどで、性欲をつかさどる物質として知られている。

 男性ホルモンは、男性では18〜20歳ほどで分泌がピークを迎え、以降、徐々に減少します。一方、女性の場合は年齢を重ねても分泌量はあまり変化しない。

 女性の体内では、女性らしさをつかさどる女性ホルモンが30代後半から40代で減ってきます。すると相対的に男性ホルモンの量が増え、影響が大きくなってくる。性欲が増してきて、俗に『四十しじゅうし盛ざかり』などと言われるのもこのためです。

 この女性の体内の男性ホルモンは、閉経を過ぎても十分に保たれ、60歳を超えてからようやく減少し始めます。ですから、女性の性欲というのは相当に長い期間、維持されると考えていいでしょう」

 いつまでも性の悦びが欲しいと感じることは、まったく正常なことなのだ。














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