竹村会 会員企業にみる“躍進”の秘密

また、当初から海洋工学の研究所を設け、研究開発にも力を注いでおり、通常の建設会社がこの部門に投資するのは売上げの1%未満というのに対し、同社は「できれば売上げの2%以上は投資したい」という方針を貫いている。
ガラスに含まれた栄養素が海水中に溶け出し、イオン化され、特に光合成を促進する鉄分が藻類の増殖を促す。水槽実験、実海域実験でもその効果は実証済みで、赤潮の防止にも役立つという。すでにテトラポッド本体に加工した溝に張り付け、全国で使用している。
「テトラポッドは消波だけではなく、生物環境をよりよくするためにも一役買っているわけです。長期にわたり安定して海草の育成を助けますし、ウニやアワビの養殖に使用すれば、倍以上に生長するデータも得られました」と久田氏は力説する。
それだけではない。このイオンカルチャーによって、現在深刻化している地球の温暖化に歯止めをかけることも夢ではないという。
「長年海を仕事場にしてきましたから、その素晴らしさも怖さも十分に理解しているつもりです。だからこそ海にロマンを求めたい」
海に寄せる人一倍強い思いを具現化してきた久田氏が次に取り出したのは、呼吸するコンクリートブロック「アクアブレス」である。
火力発電所の廃棄物である石炭灰でつくったこのコンクリートにたっぷりと水を含ませ、芝生の種などを蒔くと、土壌と同じように発芽するという。
「土壌と同程度の保水性があります。草が生えるだけでなく、バクテリアが棲みやすいので、下水処理場の汚水や都市河川の浄化にも利用できます」
現在、さらに高性能なコンクリートブロックにするため、中部電力と共同研究を進めているところだ。
実際の岩をゴムで精密に型どり、コンクリートを流し込んでつくっていくのだが、ほんもの同然に仕上げるには染料選びにも細心の注意を払う。すでに大阪港の防波堤の内壁などに用いられている。
「テトラポッドを日本全国に普及することによって、我が社は業績を伸ばすことができました。海から受けた恩恵を社会還元するという意味でもあります」と久田氏は語る。
海を舞台にもうひとつ、事業の多角化を図り、数年前から海洋レジャー関連への展開も始めた。奄美大島や三保の松原に拠点を置く「テトラマリン」では、スキューバダイビングを中心とした海洋スポーツが楽しめるスポットの開発から運営まで行なう。
また、アメリカに本部があるスキューバダイビングのライセンス発給団体SSI(スキューバ・スクールズ・インターナショナル)の東アジア地域の系列会社も組織している。
これらの事業に取り組むようになって、久田氏も60代後半にしてスキューバダイビングのライセンスを取得した。竹村健一に出会い、未来経営研究会に入会したのも、実は竹村の趣味のひとつであるスキューバダイビングを通じてであった。久田氏とテトラの新たな挑戦は、まだ始まったばかりである。

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