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テーマ: プロ野球改革

日本プロ野球は今年、「改革元年」といわれ、50年ぶりの新球団参入やセ・パ交流戦などの新たな試みに注目が集まっています。しかし、それで球界の活性化が実現するとは思えません。年俸・ドラフト・FAといった根本的な問題を解決するための道筋が、いまだに示されていないからです。はたしてプロ野球はかつての隆盛を取り戻せるのか。プロ野球改革をめぐるご意見、ご提案をお願いします。

さあ、あなたはどう思い、どう考えますか?お気軽に、この議論にご参加ください。








皆様の発言


問題提起
問題提起 発言日: 2003.01(2003.04.10再録)
プロ野球に未来はあるか
中野謙治 さん
 日本のプロ野球人気の低迷が叫ばれて久しい。野茂、佐々木、イチローといった日本人大リーガーの活躍によって、選手だけでなく、ファンのメジャー流出が進んだためだという。ならば、今シーズンに実現した松井秀喜のヤンキース移籍は、日本球界にとって致命的な事件といわなければなるまい。
 しかし、はたして本当にそうなのか。仮に松井が日本にとどまったとしても、プロ野球の凋落に歯止めをかけられるかは疑わしい。日本球界を取り巻く状況は、もはや一人のスターの選択や一球団の経営努力によって好転するほど、楽観的な状況にはないからだ。
 マスコミからはメジャー賛歌ばかり聞こえてくるが、そもそも野球人気の低下は日本だけの現象ではなく、アメリカにおいても深刻なのだという。選手の年俸をめぐるトラブルやフットボール人気の上昇といった要因から、大リーグが米国内での“No.1スポーツ”の座から転落している事実は、日本ではあまり知られていない。運動能力の高い選手が他のスポーツに流れるため、全体のレベルも低下しているようだ。オリオールズやヤンキースなどでプレーし、日本球界でも活躍した日系人レン・サカタ氏は「もしイチローが15年前に来ていたら、間違いなくマイナーからのスタートだった。当時は彼くらいの選手はたくさんいたからね」と指摘している。
 オリンピックの競技数削減対象に野球が含まれたことからもわかるように、つまるところ、世界のスポーツ界において、野球そのものが危機に瀕していると認識すべきではないだろうか。日本球界の窮状もそうした大きな流れと連動しているのであり、そうであれば、一部のスター選手を囲い込もうというような、保護主義的な発想では道は到底開かれない。
 では、どうすればいいのか。これはもう、本道に戻るしかない。つまり、野球というスポーツ文化の素晴らしさを、球界のあらゆるレベルで、あらゆる機会を通じて内外にアピールしていくのだ。アテネ五輪でのドリームチーム結成も、日本が勝つためだけでなく、前述の目的のためにより重要な意味を持つ。
 また、国内に目を向ければ、プロアマ交流の加速が焦眉の急であることは論をまたない。現役のプロ選手やプロ経験者との交流が活発になれば、アマチュアの意欲や技術が向上し、そこから輩出されるプロのレベルも高まるのは自明の理。子供たちの関心も戻り、野球人口の裾野は確実に広がるだろう。
 ところが、である。先日、社会人野球シダックスの監督に就任した前阪神監督の野村克也氏が、注目の初采配を振るう予定だった帝京大との練習試合で、ベンチ入りできないという事件が起きた。野村氏がテレビCMに出演していることを、大学野球連盟が問題視、「芸能人との試合」を禁じる学生野球憲章に触れると言い出したのだ。こんな石頭がいては、真のプロアマ交流など夢のまた夢。ノムさんはぼやくことしきりだった。
 改革とはこういう人間を放逐することから始まるのだ。

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No.1 発言日: 2003.07.03
連敗巨人軍に喝!
まっちゃん さん
 ちかごろは酒がうまくない。なぜかって? われらが愛する巨人軍が、首位を走る阪神に負け続けているせいだ。テレビのチャンネルを回すのがこんなに気が重いとは。食欲が進まない。ファン心理のなせる技というのだろう。それにしてもふがいない。去年の栄光を忘れてしまっている。腹立たしさを覚えるくらいだ。折り返し点も過ぎていないのに、こんなに差をつけられるなんて、事前にだれが予想しただろうか。
 原因はいくつか挙げられる。第一に、選手諸君の気のゆるみだ。去年、日本一になって慢心が生じたとしか思えない。精神的なゆるみがケガにつながりやすいことは、プロ選手なら先刻承知のはずだ。主力選手らに故障が相次いだのは、自己管理の不徹底によるもので、罰金ものではないか。
 第二に、原監督の采配ミスが指摘できる。新人投手を育てようという気持ちがあるのはわからないでもないが、勝負どころでの起用はまだ無理ではないのか。また、押さえの投手起用では、気の弱い男にこだわりすぎた。代打起用でも今いち冴えがみられない。
 第三に、オーナーが無用の口出しをしたり、フロントの外人選手獲得でさらされた無策ぶりが目立つ。
 圧倒的な巨人ファンに支えられた選手諸君は、他球団に比べれば幸せ者であると自覚すべきである。「常勝」が半ば義務づけられているのは、むしろ光栄に思うべきだ。それだけのペイを得ているわけだから。プレッシャーに打ち勝ってこそ一流選手の証しである。不況にあえぐ関西の景気づけに阪神を優勝させたいという気持ちなんか、さらさらない。阪神がプロ野球人気復活の牽引力になったらおしまい。勝ってこその巨人軍であり、プロ野球なのである。

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No.2 発言日: 2004.08.26
とにかく野球中継を延長するな
やぎ さん
 やれメジャーだ1リーグだと大騒ぎしているが、「別にどうでもいい」と大半の人が思っているはずだ。野球中継はだらしなく延長し、野球関連のニュースは毎日何回も繰り返される。このことにストレスを感じる人は野球ファンより多いと思う。視聴率が10%に満たない番組が、ゴールデンタイムに延長までして放送される状況に疑問を持たないのはおかしい。
 そもそも野球というスポーツは、素人が見ても全く面白くない。だらだらとやたら間をとるし、選手は試合中でもベンチに座っている。観客が何万と入っているからこそ派手に見えるが、競技自体は地味だ。
 「野球はアメリカでも人気があるじゃないか」と反論されそうだが、日本とアメリカには違いがある。アメリカ人には選択肢があるのだ。
 アメリカのテレビはチャンネルごとにスポーツ、バラエティなどが分かれており、視聴者はいつも見たいジャンルの番組を見ることができる。日本のように野球で番組が遅れることはない。
 野球チームのオーナーの他にも選手、OB、ファンに「日本人は野球がないと生きていけない」という考えが少しでもあるなら、それは大きな勘違いだ。僕には「日本人は野球を押し付けられている」ようにしか見えない。


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No.3 発言日: 2004.09.02
プロ野球は昔を引きずり過ぎている
らぶぴいす さん
 やぎさんの意見に賛成である。しかもたとえ大差の試合でも平気で番組延長するのはいきすぎだ。
 娯楽や選択肢が多様化した現代においても、野球界やテレビ・ラジオははっきり言っていまだに昔の「プロ野球全盛時代」を引きずっているとしか思えない。ある意味「変われない、時代の変化に対応できない国・日本」を象徴しているものの一つではないだろうか。相撲の「土俵は女人禁制」しかり。
 むしろCSのスポーツ専門チャンネルでプロ野球を全試合放送する、という形にした方が野球ファンもそうでない人もおたがい納得するのではないだろうか。それに中高年世代にとっても、新しいものにふれるいい機会にもなるだろう。
 昔の僕はテレビでプロ野球を見ているうちに野球ファン・巨人ファンになり、高校野球にも熱中し、小・中学校と野球部に所属していた。今思うと、あの頃の自分は何だったんだろうか? と考えているが、これはやぎさんが言うところの「野球を押し付けられて」いたんだなと思っている。

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