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「宮家というのは、天皇にならない親王がいるとこ。浩宮様には成人親王の弟がいる。秋篠宮様。その下が、紀宮。秋篠宮には第2位の皇位継承権がある。弟で男だから。次男、三男は結婚すると、宮家を造って、世襲されていく。男系の血が続く。天皇とは別に。もし天皇家が途絶えた場合は、男系の直系の血がつながっていくようにそのようなシステムを作った。世襲親王家な」
あー、なるほど。それで宮家ってのはあるんですか。世間の婦女子というのはなぜか皇室が好きでしてねえ、わたしの友人なんか、子供のころから大好きだった番組は「皇室アルバム」だったっていうんですよ。信じられませんが。先の昭和天皇が虫眼鏡片手に那須を歩いてるようなのを見て喜んでいたと。どうでもいい話ですが、わたしの実家は那須のご用邸の補修を請け負いました。で、そのときにですね。
「あー、やめろ、やめろ。それ以上は聞くとヤバイ話になりそうだ」
うっ、気持ち悪いー。吐きそう。いや、昨日から熱があんですよ、わたし。ここ、室温がほとんど氷点下なんです。ああ、なんて暖かいのかしら。で、なんでしたっけ、ボス。手短に頼みます。
「一時、宮家はすごく増えた。幕末から明治にかけて。新しい宮家がどんどんできた。しかし戦後、連合軍が、皇室財産の凍結、皇室の特権を停止する。天皇の力を削ぐ。宮家をなくす。結局いま残っているのは、秋篠宮、常陸宮、高松宮、三笠宮、桂宮、高円宮の6つな。ところが、1990年の秋篠宮以降は、宮家は誕生していない。そして紀宮様は黒田さんになる。ほんわかした家庭を築きたいのだろうとご学友はいっている。持参金は1億5000万ぐらい出るが。問題といえば、女帝というのを認めるかどうかだよ」
やべー、チャペルの鐘が鳴り出した。あと十分ほどでまたお祈りの時間なんです。手短に願います、手短に。
「皇太子殿下には、雅子妃殿下がいるわけだけど、この人に男子が生まれれば、彼が嗣ぐ。生まれないと、秋篠宮にいく。けれど次が問題だ。秋篠宮より若い世代の皇位継承者は、もうどこの宮家にもいないんだ。宮内庁の長官が『秋篠宮に第三子を強く希望する』、つまり男のお子さんを産んでほしいといって、大問題になった。どこにも男子がいない。なら女帝であってもいいじゃないかと。皇位は皇統に属する子供がこれを継承すると。ここまでいい? で、女系でもいいとなると、六宮家を造っていたのは、なんのため? ってことだ。一方、『男系の男子』という条件は守られなくてはならないと主張する人たちがいる。あくまで男子にこだわるならば、戦後に皇籍離脱した旧宮家を復活させるぐらいしか手はない。君はどっちが正しいと思う?」
わかりました、その難題、わたしがたったいま解決してしんぜましょう。女帝は、OKだ! でないとマタニティーの幻想にさいなまれて、淡い青春が遠ざかると山崎まさよしが言ってます。“苦悩のマタニティー”って曲のなかで。いまの世代はですね、妊娠出産が嫌いなんですよ、ひとりでも産めばお腹がいっぱいになるらしいんですよ。雅子妃をもう戦いの広場から降ろしてあげましょうよ。そうでないと皇室を規範とする国民たち泣くんです。国力が減る? 知ったちゃないですよ。そういうのが国民の本音なんです。それじゃわたし、修道女様たちとお祈りに行ってきますから。
「やっぱり日本は外国人労働力にたよらなくてはならないな! いいぞ、君、一生そこに閉じこもっていて」
ありがとうございます、原稿だけは送らせてもらいますんで、振り込みのほうはお忘れなく!
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