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「あと、いろいろ面白いというか、苦笑しちゃうようなことがいろいろある。たとえば秋田県では、大仙市という新しい市ができるんだけど、そこではなんと、議員が136人もいるのだ。すごいぞ、東京都議会の127人を上回ってんだから。辞職したのはたったの7人だけ。在任特例というのがあって、たしかに合併した市町村の議員は2年間地位を保証されるんだけど、そもそも合併の目的のひとつは人件費の節約なんだから、議会が大所帯というのは矛盾している」
まあ、その7人は、大仙市の良心ですね。次の選挙のときは彼らに一票を投じるといいですよ、大仙市のみなさん。
あとついでにですね、「南セントレア市」についてもちょっと教えてください。合併が流れたとか?
「そう。名前が面白くないから合併をやめた一番有名な例だな。ほかにもこういう例はけっこうある。長野県の駒ケ根市と飯島町、それから中川村が中央アルプス市という名前で合併しようとした。ほんとは住民アンケートでは駒ヶ根市が1位だったんだけど、そうなると飯島町や中川村は合併ではなく、まるで編入ではないかといいだして、いっそ世界的に大きな名前にしようと、中央アルプス市の名が浮上した。ところが、もう一度住民投票をしたら、カタカナは嫌だと。結局、名前でつまずいて、合併そのものが流れた。
また、九十九里浜の成東町。4つの村と町が合併するのだが、いろいろ話し合ってるうちに、協議会で、太平洋市にしようじゃないかと決めた。ところが、全国地名保存連盟というのがあって、ここからクレームがついたのだ。『太平洋市はけっこうだが、北海道から沖縄までが太平洋に面しており、アンタのところはたかだか8qだけじゃないか』と。じゃあ、九十九里市にしようじゃないかといったんだけど、合併するなかに九十九里町が入ってない。そうなると、となりにも九十九里町がある。結局、山武(さんむ)市になったけど」
ま、悲喜こもごもって感じですが、南セントリャー市だろうがなんだろうが、もうどうでもいいや。名前でもめて合併が流れるようなとこは、勝手にしとけって感じですね。過疎化の危険がない限り、合併は進んだほうがいいけど。
で、問題は、矢祭町のように、合併できない事情を抱えている地方自治体が、今後、どう進んでいくかでしょう。そこで合併もせず、庁舎もボロボロなのに、地方分権を目指して頑張っている矢祭町、あるいはその他見えないところにある山間の自治体にむけて、わたしが以前から思っていたアイディアを言わせてくれっ。
特産物に、なぜ、イノシシや熊の肉を加えないのですかっ。
去年、獣害が叫ばれるたびにわたしゃ思ってましたよ。
「熊か。……うんまそう」
「イノシシか。……腹へってきた」
フランス料理にはシビエっつって、わざわざ野生の肉を食うためにフランスから肉を輸入してるぐらいなんだから、なんで地元にいくらでもいる獣に目をつけないかな。牛肉の危険が叫ばれているいまこそ、安全そのものの健康的な獣の肉を食卓に紹介して、みんなにその美味しさを理解してもらおう。いまこそチャンス。みんな豚丼を食べているうちに豚丼を食べる習慣ができてきたし、関西人だって最近じゃ納豆食うらしいよ、デフレだから。このように食というのは習慣ですから、都会人だって一度餌付けしてしまえばこっちのもんだっ。イノシシや熊の肉を食わせて、流通経路を確保しちゃえば地元にあるもので特産品ができますよっ。
とくに矢祭町の皆様、貴町のイノシシはうまいので、ぜひ東京都内に流通させてください。
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