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焦点 高齢者訪問看護の質指標の開発
排尿ケアに関する質指標の構築と標準化
岡本 有子
※1
鈴木 育子
※2
岡田 忍
※3
石垣 和子
※3
山本 則子
※4
※1 千葉大学大学院看護学研究科
※2 山形大学医学部看護学科
※3 千葉大学看護学部
※4 東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
【キーワード】 高齢者,訪問看護,排尿ケア,質指標,lower urinary tract dysfunction, quality indicators, home nursing, aged
研究目的:高齢者訪問看護における排尿ケアに関する質指標を開発し,標準化に向けて適用可能性を検討する。 研究方法:まず,排尿ケアに関する看護実践の文献レビューとエキスパートパネルによる討議にて,質指標を開発した。次に,開発した質指標を用いて,全国の訪問看護師に日頃の実践に関する自己評価をしてもらい,質指標の適用可能性を検討した。 結果と考察:文献レビューとエキスパートパネルの討議により,排尿ケアに関する31項目の質指標が開発された。質指標は,アセスメント,介入,フォローアップからなる。アセスメントは,下部尿路症状のアセスメントと下部尿路機能障害のタイプの判断,ADL,家族介護力等である。介入は,一般的なケア,尿道カテーテルが挿入されている場合のケア,尿失禁のタイプ別ケアである。全国調査では以下の結果が得られた。回収数は375票(回収率:28.1%)で,指標への回答率は概ね良好であった。総合得点は31点満点が約2割であった。総合得点は訪問看護経験年数,看護職経験年数,年齢との間に正の相関がみられ,訪問看護の質指標としての妥当性が一部示唆された。時間的制約(4割強)または個人の能力不足(4割弱)により「ここまではできない」と考える看護師がみられたが,「現場ではあたりまえだ(68.0%)」や「訪問看護実践上重要な点が網羅されている(80.2%)」という回答も多かった。以上より,本質指標は,高齢者訪問看護における排尿ケアの質指標として一定の適用可能性があると考えられた。
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