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症例
大動脈弁輪拡張症に対し自己弁温存大動脈基部置換術および弁形成術を同時施行した1手術例
吉田 和則
※1
大塚 亮
※2
民田 浩一
※2
吉川 純一
※2
※1 西宮渡辺心臓血管センター心臓血管外科
※2 西宮渡辺心臓血管センター循環器内科
【キーワード】 大動脈弁輪拡張症,reimplantation手術,大動脈弁形成術,annulo-aortic ectasia,reimplantation operation,aortic valve repair
要旨 患者は55歳,男性.高血圧症,脂質異常症,糖尿病で加療中であった.最近になり労作時呼吸困難の増悪を自覚するも放置していた.深夜になり起座呼吸を自覚したため,当センターに救急紹介来院し,心臓超音波検査および大動脈CT検査にて大動脈弁輪拡張症に伴う重症大動脈弁閉鎖不全症の診断で手術施行となった.右冠尖の延長と逸脱を認めていたため,手術は自己弁温存基部置換術であるReimplantation手術に大動脈弁形成術であるcusp plicationを同時施行した.術後経過は良好で,術後心臓超音波検査においても大動脈弁逆流の再発を認めず,術後15日目に軽快退院した.近年,自己弁温存基部置換術の手術成績の向上から本術式の適応が拡大されているが,大動脈弁形成術を積極的に加えることで,成績が向上したとの本邦での報告は少ない.今回われわれは,自己弁温存基部置換術に大動脈弁形成術を追加施行し良好な結果を得た1手術例を経験したので,若干の文献を踏まえ報告する.
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