シャッターチャンス11
小道具は画面の中にいつもある

11week1_jpg カメラのメカニズムにも慣れ、フレームの四隅に、自然と目が行くようになると、状況説明やアクセントに、フレームのはじに小道具を入れたくなる。人物とのバランスとか、アクセントの色にするために、植物や小物を利用するのは、もちろん悪くない。 そこで、もう一度それらの写真を探し出して欲しい。そうすると、ひとつの発見がある。 そこにある小道具は、思いつきだけで置いてあるのではない。いいかえれば、その小道具はあるべくしてそこにあるんだ。自己主張しすぎてはいけないし、見逃してしまうほどほんとにその場面になじんでいるだ。

僕の撮影も、小道具をかなりつかう。こう言うと“エッそんなに使ってないよ”といわれるかもしれないが、もう一度よく見て欲しい。ありとあらゆる場面に、小道具が自己主張しすぎていないで、見逃してしまう程度にでているんだ。それに僕は、わざわざ東京から小道具を持って行くことはしない。


11week1_jpg タネあかしをしよう。それは撮影場所や空間にある自然のものなんだ。たとえば、風や雲、砂や波だ。何も特別に用意しなくても、撮影場所に置かれている全部が小道具になるんだ。これは、優秀なスタイリストだってとってもかなわないぐらい、そこにいる女性たちにマッチする。

砂ひとつぶだって、立派な小道具になる。撮影のとき、モデルには自由に動いてもらうと、どうしても、背中やおしり、手に砂がつくんだ。コマーシャル撮影の時などこれを、念入りに取り除く場合もあるが、グラビアの場合、僕は決してこれを取らないんだ。もしとってしまうとチクチクする痛みもなくなると同時に、モデルの感情の動きも止まってしまう。寄って撮っても、海にいるんだという臨場感もなくなってしまう。 だから、砂をはらいにいくスタッフがいると、いつもどなるんだ。“このタコ!”



スタイリスト
スタイルのよい人、またはスタイルを気にする人のことではなく、スタイルを整える役目のスタッフ。モデルのコスチュームや小道具を準備する。大きなスタイリストバックをもって歩いていることが多い。プロの撮影ではスタイリストときっちり打ち合わせをしておかないと、イメージが食い違ったりする。

タコ
このセリフはフーテンの寅サンが隣の中小企業(印刷所)の社長に向かってよく言う。お馴染みのタコ社長だ。したがって多少の親近感を込めた言葉。しかし、知らない人に向かって言うと殴られる。


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