シャッタースピードが速ければ、手ブレもしないし、動きのあるものもピシャッと止まって写る。シャッタースピードが遅ければ、手ブレが起こり、動きのあるものも当然ブレてしまう。だからといって、いつも速いシャッタースピードでは、味のない写真になってしまう。
何を基準に、シャッタースピードを決めるかで、画面は大きく違ってくる。モデルの笑い顔なのか、走っているときのしなやかな体なのか、体に降りかかるシャワーの水なのか。何に君が感じたかで、シャッタースピードを決めるといい。絶対的なシャッタースピードなんて、あり得ないのだ。むしろ、それで迷うくらいなら、いっそ、思いきって、極端なスピードにしたほうがいい。
たとえば、全部の動きを止めない程度に、シャッタースピードをスローにしてみよう。モデルも、バックの波も、キッチリ止まっているだけでは面白くないだろう。1/60秒くらいにすれば、モデルが止まって、波だけブレる。あるいは、波とモデルの手先だけがブレる。これだけでも、なにかほかに読みとれるんじゃないか。だから、必要以上に動きを止めてしまうようなシャッタースピードより、少々ブレたって、あるいは全部ブレたっていい。スローシャッターにいどんでみよう。ピントさえしっかりしていれば、ブレブレの写真だって、充分に人を納得させられるからだ。
ここでもう一つ言いたいことがある。君たちはもうわっかていると思うが、シャッタースピードを遅くすれば、当然、その分だけ絞られるということだ。1/500秒・F4なら、1/125秒・F8というふうににだ。人間の全身を100m/mで撮影する場合F4とF8では、バックのボケがかなり違うはずだ。だから、シャッターを遅くするときは、このことも考えにいれておかなければいけないんだ。このように、シャッタースピードと絞りの関係は反比例する。そして、絞れば絞るほど、ピントの合う距離は深くなる。これを被写界深度という。この被写界深度を利用して、人物から背景までピントの合った写真にトライするのも面白いと思う。
|