こんな光景を見たことがあると思う。撮影会で、白い手袋、モータードライブ連写、1ロールまるで同じ写真。フィルムをケチる訳じゃないが、これでは何本フィルムを持っていってもしかたがない。それに、微妙なピント操作をする指に、わざわざ不自由な手袋もいただけない。機材は、直接、手のひらで感じて、それを使いきらないといけないのだ。
モータードライブって何だと思う。カタログでは秒間4コマ、5コマの争いがくり拡げられているが、秒間何コマというスピードなんて、考えなくてもいいんだ。特に、女性の写真の場合は、そのメリットはほかの所にあるんだ。ひとつは、カメラが重くなるぶん長玉使用時のホールドが良くなる。それと軽い電気式シャッターと相まってブレが少なくなるんだ。それと最も大事な点は、ファインダーから目を離さずにすむってことだ。これは前の項で言ったように、思ったより速い表情の動きに対応したり、ピント合わせだけに専念できるという、女性写真にとって大きなメリットになるんだ。
実際には、僕は今、ニコンF4を使うことが多い。もちろんモータードライブ付だ。ニコンのモーター・モードは大きく分けて、S(シングル)・C(コンティニュアス)の2モードある。僕が使うのは、この2つのうちシングルだけだ。特別な場合を除いて、Cモードを使うことはない。たとえCモードを使い連続シャッターにしても、あたりカットは、僕の意志で押した1枚目だけだと思う。続いて機械的に落ちたシャッターのなかには、決してよいカットは撮れていない。そして、もうひとつ、モータードライブの好きなところは、あの巻き上げる時の音だ。撮影に関係のない人にとっては、ただの機械のあの巻き上げ音が、撮られている人にとっては、表情が変わる度に早くなったり、遅くなったりして、実に体の奥深く、話しかける声のように響くということだ。このことは、僕が撮った何人もの女性から聞いたことなので間違いない。言葉と言葉の間に、キュンという音も、どんどん効果的に使ってみるべきだ。
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