シャッターチャンス4
カメラの目は男の目

フレームの内の女性は動く。キュンという巻き上げ音や言葉で、フレーム内の女性は、さまざまの女性に変わる。男の目を意識してフレーム内で動く女性に変わる。男の“目”を意識してフレーム内で動く女性。直接手で触れるよりも、キュンという音や言葉に、敏感に反応する女性に、刺激的な“女”を感じるんだ。マクロでうんと寄って撮っていると、目や唇が熱くなるようだ。また、背中でシャッター音がすれば、背中に強烈な男の“目”を感じているに違いない。そして、その“目”を意識して動く女性は、サイコーに女っぽい。

 この状態になれば、あとはカメラの動くままに、女性も動けるんだ。徹底して視る。上からも下からも、寄ったり、引いたり、モデルのまわりをまわってもいいんだ。走ったってかまわない。息が切れれば、きっと、その息づかいにすら反応してくれるにちがいない。そして、何ロール目かに、1枚、最高にキレイなやつが撮れるんだ。

 でも、ここで問題がある。素人の写真にありがちなのが、フレームの四隅を全く見ていないのではないか、と思う写真だ。頭の上から電柱は生えているし、浜辺の女性を撮っているのに、泳いでいる男の人が写っていたり、これではせっかくの写真が台なしになってしまう。気持ちよく動いてくれた女性にも申し訳ない。だから、フレームをのぞいたら、始めに四隅を確認するクセを、つけて欲しい。汗だくで撮り終えたカットでも、バックのボケの中になにがあったかを思い出せるくらいの感じが欲しい。だから、フォーカスは、スクリーンの中央部でなくても合わせられる様にする。そして、四隅に何が入っているかを常に確認する注意力を持って欲しい。そうすれば、後のセレクトのとき、女性は最高の表情だが、うしろのボケにオジさんがボーッとしてカメラを見ているなんて失敗はなくなるんだ。


4week_jpg

マクロ
マクロレンズのことだ。普通のレンズと違ってうんと寄れ、アップが撮れる。50〜100ミリのマクロレンズを持っていれば、1/2倍から等倍までのクローズアップが写せるし、引いてポートレートも写せる。

寄ったり引いたり
寄るというのは、モデルに近付くこと。引くというのは、離れてみること。ロングやセミロング、女の子の全身を写したりすること。

何ロール
フィルムを1本、2本と数えないで「今日は何ロール撮った?」と聞かれ、アシスタントは「30ロールです」などと答える。これがプロの用語なのだ。

フレーム
枠のこと。写真は四角いフレームの中に写すこと。だから「フレームで切り取る」などとも言う。どこをどう写すかということを「フレーミングする」などと言う。女の子のお尻だけフレーミングするのも楽しい。

スクリーン
ファインダースクリーンのことだ。ここでピントを合わすのだが、つい真ん中でピントを合わせることに集中し、余計なものが写っていたりすることがあるので要注意だ。


BACK NEXT
TWO - Tatsuo Watanabe's Online Photography - 〜素肌のメッセージ〜
(C)TATSUO WATANABE 1980-2002. ALL RIGHTS RESERVED.