女性がポーズを決めてピタリと止まる。それをモータードライブでバシャバシャ撮る。現像が上がると、なにかつまらない。画面の中の女性が、生き生きとしていない。こんな経験があると思う。
女性の写真は、全体が静止した状態を撮っても、生命感のない、つまらない写真になってしまうんだ。だから、動作が終わる直前の瞬間や、髪の毛が風でフワリと動いた瞬間を、狙うといいんだ。笑顔だって、動いているからいいわけで、笑顔のままで止まってしまえばどんどん色あせてしまう。同じポーズをベスト状態で止めておくなんて、不可能なんだ。いつまでもポーズにこだわっていると、証明書の写真に背景があるだけになてしまう。これじゃモータードライブ付の一眼レフが泣くってもんだ。
これはそんなにムズかしい事ではないんだ。ただ自然に動けばいいんだ。髪が顔にかかったら、頭を振ってはらう。浜辺に貝があれば拾う。うしろからついて行き、ふり返ってもらったりするだけでいいんだ。そして、その動作が終わる直前が、絶好のシャッターチャンスなんだ。
撮影風景を見ていると、たいして長くない玉なのに、三脚を付け、撮っている人を見かける。これでは相手が動いても、それに対応するのが、むずかしい。三脚なんてつけずに、シャッターを切りながら、彼女といっしょに動くんだ。膝をついてパシャ、次のシャッターは背のびをしながらパシャ。とにかく彼女の動きに素早く反応することだ。そうすれば、カメラを持った君たちの気持ちも踊り始め、もちろん、彼女の気持ちだって踊る。
それらが彼女のホンネの表情。
アングルや、ポーズなんて関係ないんだ。ホンネの表情が写っていれば、なによりも強い写真になるんだ。撮り終えて、36の違う形、36の違う角度の写真が撮れていれば、その中の不安定な瞬間に、新しい表情が見える。ポーズになんかこだわらず、とにかく彼女のまわりをまわってしまえ。
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